体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

手足の震えの原因はパーキンソン病の初期症状!?

手足の震えの原因はパーキンソン病の初期症状!?手足の震え(振戦)が起こる原因の1つに「パーキンソン病」があります。これは、中脳にある「黒質」と呼ばれる部分の神経細胞が何らかの理由で変性し、破壊されて急速に減っていくという病気です。それにより、主に運動機能に関する神経伝達物質であるドパミンが徐々に減って行くため、「人間の動き」そのものを鈍らせて行きます。また、運動症状だけでなく、自律神経・精神症状も様々なものが現れてくるとされ、初期症状として手足の震えを訴える人は60%以上とされています。発症のピークは60代ですが、50歳を超えた頃から発症することも珍しくありません。原因として加齢も考えられますが、「若年性パーキンソン病」もあるため、それだけでは説明がつかない病気でもあります。いずれにしてもアルツハイマー病に次ぐ神経変性疾患ということで、決して「自分の身に起こらない」とは言い切れない存在なのです。

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目次

パーキンソン病による手足の震えの特徴

初期症状としての手足の震えは、「静止時振戦」といって、何もしていない時に起こる特徴があります。左右どちらかの上肢からはじまることが多く、また、手の指からはじまることも多いです。次に症状が現れるのは同じ側の下肢で、さらに反対側の上肢、下肢へと波及して行きます。逆に、片側の下肢からはじまった場合は、同じ側の上肢、反対側の下肢、上肢へと進行して行く法則性があります。振戦のペースとしては、1秒間に5、6回程度のリズムで震えが起こります。指先の場合、親指と他の指をこすり合わせるような独特なもので、「ピル・ローリング」という指で丸薬を丸めるような仕草に見えます。ひどくなると、手足だけでなく、あごや舌、まぶた、額などにも及びます。手足の震えは何かをしようとするとむしろ止まる傾向にあるため、患者さん本人が不便を感じることは少なく、病気がさらに進行すると振戦自体も目立たなくなって行きます。

 

パーキンソン病の4大症状

この病気に代表される症状は「手足の震え」「筋固縮(こわばり)」「無動・寡動(動作の緩慢)」「姿勢反射障害・歩行障害」の4つです。筋固縮は比較的よく見られる症状で、筋肉が硬くこわばって、体の動きが鈍くなります。手指、手首、ひじなどの関節の曲げ伸ばしがスムーズに出来なくなり、首が回せなくなることもあります。手指の付け根が常に軽く曲がった状態も特徴的です。動作の緩慢は顕著に現れやすくなっています。動作を起こすまでの時間もかかり、最終的には身動き1つしなくなる無動の状態になります。顔つきまで変化が見られ、「仮面様顔貌」という無表情になったり、言葉がボソボソとしか出てこない話し方になります。姿勢反射障害とは、体が傾いた時に瞬時に反応して転倒を防ぐことができない状態です。歩き方は小刻みで「よちよち歩き」となりますが、途中で方向転換できなかったり、急に小走りになって直線的に突進する場合もあります。

 

手足の震えの前駆症状もある!?

パーキンソン病では、もちろん非運動障害も様々なものが出て来ます。便秘、排尿障害、よだれ、嚥下障害(食べ物が飲み込めない)、背中や腰の痛み、発汗障害、脂顔(脂ぎった顔)、めまい、低血圧、冷え、むくみなどの自律神経障害の他、幻覚、妄想、錯乱、不安、うつ、無関心などの精神障害も珍しくありません。その他、睡眠障害が起きたり、認知症に進展することもあります。この病気の前駆症状として、便秘とともに嗅覚異常が出ることも多いとされてますので、手足の震えが気になる場合は、経験していないか思い返してみて下さい。

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