体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

物忘れが激しいのは若年性アルツハイマー病による認知症かも!?

物忘れが激しいのは若年性アルツハイマー病による認知症かも!?物忘れが激しいという場合、「アルツハイマー病」による「認知症」の疑いがあります。この2つの言葉はよく混同されがちですが、認知症とは、以前は正常であった脳の知的活動が、後天的な要因(病気など)によって持続的に障害され、低下している状態をいいます。ですから、アルツハイマー病はその原因の1つでしかありません。その他にも、物忘れが激しいという病気には、脳梗塞や脳出血の後遺症である「脳血栓障害性認知症」であったり、「パーキンソン病」「正常水頭症」「プリオン病」「ハンチントン病」「外傷性脳疾患(ケガによるもの)」以外にもたくさんあり、それらが認知症の原因となっています。アルツハイマー病を患う原因としては、脳の神経細胞が徐々に死んで減って行くことなので、症状が段階的に悪化して重症化して行き、元に戻ることはまず有り得ないと言って良いです。

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目次

物忘れが激しいのも程度の問題!?

通常、65歳未満では「若年性アルツハイマー病」という呼び方が使用され、それ以降の年齢で起こる「アルツハイマー型老年認知症」と区別されています。しかし、そこに大きな差というものはなく、強いて挙げるとすれば、発症が若ければ若いほど、性格が変わったような印象を受けたり、怒りっぽくなるという精神症状が見られることです。物忘れといっても、どんなに若くても多少はあるものですが、若年性アルツハイマー病になると、ただの「ど忘れ」では片付けられないような異常が見られます。また、高齢になれば誰もが脳の神経細胞が減っていきますので、多少の物忘れは多くなり、症状が軽い場合は病気の鑑別が難しくなるということも十分考えられます。そこで、物忘れが激しくなるという症状以外にも良く現れる中核症状を下記にまとめます。

 

アルツハイマー病の中核症状には、「記憶障害」「言語障害」「見当識障害」「視空間認知障害」「失行」「構成障害」などが挙げられます。

 

・記憶障害
健康な人であれば、ど忘れしたことを他人から指摘されると「ああ、そうだった」と思い出すことが普通ですが、この「再認」という作業ができなくなります。直前に食事を済ませたのに、「ご飯はまだ?」と何度も聞いてくることも多くなります。「今食べたばかりでしょ?」と言っても、食事をした記憶が一切残っていないため、再認ができない状態です。物忘れが激しいという限度を明らかに超えています。

 

・言語障害
普段使っている箸やボールペンなどといった物の名前が出てこなくなります。テレビで見た物や俳優さんの名前が出てこないことは良くあることですが、毎日使う物の名前が出てこないのは、物忘れが激しいというレベルではありません。

 

・見当識障害
時間や場所をはじめ、他人の認識もできなくなります。ひどくなると家族の人物でさえ認識できなくなります。また、それぞれ個々の情報はわかっても、それを統合した受け応えができないこともあります。医師や看護婦さんが目の前にいることは理解しているのに、「ここは会社です」と応えることも珍しくありません。しかし、不思議なことに、自分が誰なのかがわからなくなることはほとんどなく、自分に対する見当識には異常が見られません。

 

・視空間認知障害
物がどこにあるかという認知ができない状態です。また、普段歩いている道を見知らぬ風景と思い、辺りを徘徊することもあります。

 

・失行
普段使い慣れているはずの物の使い方が突然わからなくなります。お箸やペン、歯ブラシなどを渡しても、全く使い方を忘れてしまった状態です。

 

・構成障害
積み木などを綺麗に積み重ねることができません。物の大きさや幅、奥行きなどの情報を把握できていないようです。複数の要素が組み合わさってできている物の認知が難しい状況です。

 

これらは代表される中核症状ですが、それ以外にも、不安や焦燥、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、人格の変化、抑うつなどの精神症状は、本人だけでなく、家族などにも大きなダメージを与える可能性があります。昼夜逆転も目立つため、夜に出かけて付近を徘徊したり、大声を出すことも珍しくありません。また、常に被害妄想があって怒りっぽくなるのも、アルツハイマー病の特徴で、若年性の場合はとくに顕著に現れやすいともいわれています。物忘れが激しいといっても、本人がそのことを理解しているうちは、病気に罹っているとは言い難いため、気になるようであれば、早めに検査を受けてみることをおすすめします。

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