体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

肝硬変の症状・代償性と非代償性の違い、合併症について!

肝硬変 症状

肝硬変の症状・代償性と非代償性の違い、合併症について!「肝臓病の終末像」である「肝硬変」の症状には、実に様々なものが挙げられます。それは、肝臓が「人体の化学工場」と呼ばれ、大小併せて約500種類ほどの働きを担っているからです。とくに3大機能である「栄養の代謝」「有害物質の解毒」「胆汁の分泌」ができなくなり、肝機能が著しく低下した状態に陥ると、肝臓病特有の症状とともに怖い合併症が現れることになります。

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しかし、現在では検査技術や治療法の進歩により、肝硬変と上手に付き合いながら合併症を予防することで、長生きすることも可能な時代となっています。そこで、この病気の原因などを踏まえた上で、どんな症状が現れるのか、しっかりチェックしておきましょう。

 

肝硬変の原因とは?

B型、C型などの「肝炎ウイルス」に感染して「急性肝炎」を発症したり、アルコールや薬剤によって肝炎を起こしたりすると、その一部が「慢性肝炎」に移行して、自覚症状がないまま肝臓の「線維化」が進むことがあります。

 

これは、約2500億個もあるといわれる肝細胞(肝実細胞)の一部が破壊と再生を繰り返すことで、数年~十数年もの長い年月をかけて繊維組織に置き換えられてしまうためです。そして、高度な繊維化が進み、肝臓が硬くなったり肝機能が著しく低下した状態を「肝硬変」と呼んでいます。

 

日本では、B型、C型肝炎ウイルスによって発症するものが圧倒的に多く、アルコールが原因のものは約13%ほどとされています。ただし、肝臓はもともと強い「再生能力」を持ち、余裕を持って働く「予備能」を持っているため、なかなか悲鳴を挙げることは少なく、症状が出たときは既に肝硬変を発症していたということも十分に考えられることです。

 
肝炎ウイルス
 
手術などで70~80%ほどを切除しても、1年もあれば元の大きさと機能を取り戻したり、一部が線維化しても、他の肝細胞がそれを補うことは非常に優秀であるといえますが、病気が進行していることに気付かせてくれないというのは非常に厄介といわざるを得ません。

 

肝硬変を発症しても、この能力は完全には失われていないため、線維化していない肝細胞が機能を補って目立った症状が出ていない場合を「代償性肝硬変」と呼び、その限界を超えて重い症状が現れて来た場合を「非代償性肝硬変」と呼んでいます。

 

◎肝硬変の原因の内訳
・C型肝炎:60.9%
・B型肝炎:13.4%
・アルコール性肝障害:13.6%
・非アルコール性脂肪肝炎(NASH):2.1%
・その他:10.0%(※自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎など)

 
肝硬変 症状
 

代償性肝硬変の症状

肝臓に余力が残っている代償期には、ほとんど症状が現れません。「疲れやすさ」「全身倦怠感」「食欲不振」があるくらいで、やや「体重の減少傾向」が見られます。

 

非代償性肝硬変の症状

肝硬変が非代償期へ移行すると、様相が一変します。肝臓病特有の「黄疸」が出て、眼球結膜(白目の部分)が黄色に染まり、その後に皮膚が黄色に染まります。顔や胸、背中の皮膚の表面に、毛細血管が浮き出た「くも状血管腫」という症状が現れることも。

 

また、全身にむくみ(浮腫)が起こり、お腹に水がたまって膨れ上がる「腹水」、あるいは胸に水がたまる「胸水」なども起こります。ホルモンバランスが崩れてしまうことにより、男性なのに乳房が膨らむ「女性化乳房」が見られたり、「こむら返り」が増えて苦痛を招くこともあります。

 

体内に起こる症状や変化には要注意です。アルコール性肝硬変に多い「食道静脈瘤」は、破裂すると大出血を起こすため、非常に危険です。肝硬変になると、無数にできた結節によって肝臓内のたくさんの門脈がつぶされて閉塞します。すると肝臓の中を血液が通りにくくなり、門脈内の血圧が異常に高くなります。

 
肝硬変 症状
 
門脈圧亢進によって、血液は肝臓を迂回して流れようと「バイパス」を作りますが、その1つが胃や食道に向かう静脈です。門脈の血液がこの静脈に逆流した圧力の影響を受け、食道粘膜下層の静脈がこぶ状にふくらんで静脈瘤を作ります。ただし、止血の技術が向上したことで、破裂による死者数はかなり減っています。

 

さらに血液の逆流が体の表面に向かっていき、「へその近くの静脈へ流れるルート」と、「肛門の静脈に流れるルート」も作られます。へその近くの静脈に流れ込んだ血液は、皮膚の下の静脈を放射状に太く浮き上がらせて、「メドゥーサの頭」と呼ばれる「腹壁静脈瘤」を引き起こします。また、肛門の静脈は門脈からの血液の圧力で太くなって「痔核」を作ることも。

 

また、肝硬変になると「肝がん」の発症率が非常に高くなり、さらに進行すると、肝機能がほとんど失われて「肝不全」を起こし、肝臓移植以外に現代の医療では回復することができなくなります。「食道静脈瘤」「肝不全」「肝がん」は「肝硬変の三大合併症」と呼ばれ、とくに警戒が必要とされています。

 

「肝性脳症」の合併も心配で、「意識障害」を中心としたさまざまな精神神経症状が現れます。これは、肝臓による「有害物質の解毒」を行う機能が低下している証拠で、血中アミノ酸のバランスが崩れることや、たんぱく質から作られる「アンモニア」をはじめとする有害物質が脳に異常を来すものです。

 
肝硬変 肝性脳症
 
肝性脳症では「羽ばたき振戦」という独特な手指のふるえが特徴的ですが、「昼夜逆転」「興奮状態」「せん妄状態」「反抗的態度」「ほとんど眠っている」「深い昏睡」などが見られ、非常に危険であることは確かです。

 

肝硬変の治療目的

肝硬変の症状は、代償期と非代償期でかなりの差が出てきます。しがたって、治療の最大の目標は、病態の悪化をくい止め、できるだけ長い間その時の症状を維持することになります。この病気は不可逆性のものであるため、線維化した肝細胞を元に戻すことはできませんが、肝炎ウイルスによるものの場合、ウイルスの排除により「線維化の吸収」が報告されており、完全な治癒を目的とした治療法の確立が期待されています。

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