体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

頭痛・発熱・吐き気は細菌、ウイルスによる髄膜炎のサイン!

頭痛 発熱 吐き気

頭痛・発熱・吐き気は細菌、ウイルスによる髄膜炎のサイン!「頭痛」「発熱」「吐き気」を伴う怖い病気の1つに「髄膜炎」が挙げられます。ひと口に頭痛といっても様々な種類がありますが、慢性的に繰り返すものであれば命に関わるような危険性はありません。しかし、なかには緊急な治療を要する頭痛もあり、髄膜炎の他、「頭蓋内出血」によって激痛が襲ってくる場合もあります。したがって、「いつもと違う頭痛」を感じたり、発熱や吐き気などを伴う際は、早めに医師に相談して検査を受ける必要があります。

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目次

強い頭痛、発熱、吐き気は髄膜炎発症のサイン!

風邪をひいたり、インフルエンザなどの感染症に罹ってしまうと、頭痛と発熱が一緒に現れることも珍しくありません。しかし、普段感じたことのない「ズキンズキン」といった拍動性の強い痛みが、頭部全体や後頭部に集中的に現れたり、吐き気や嘔吐を伴うようなことがあれば、まず髄膜炎を疑う必要があります。

 

私たちの脳は、内側から「軟膜」「くも膜」「硬膜」という3層の「髄膜」により包まれ、守られていますが、何らかの原因によりこの髄膜に細菌やウイルスなどが入り込んで炎症を起こすと、髄膜炎を発症したことになります。硬膜は非常に強い組織を持っているため、主に軟膜とくも膜に炎症が起こり、激しい頭痛や発熱、吐き気などの症状を引き起こします。
 
後頭部 頭痛
 

偏頭痛と同じような拍動性の頭痛が特徴ですが、左右の片側だけでなく両側が痛むため、その点の鑑別は比較的容易です。とくに痛みが現れやすいのが頚(くび)から後頭部にかけてで、頚の後ろ側(うなじの辺り)が硬くなる「項部硬直」が起こりやすいのも特徴的です。

 

もし発症した場合、髄膜が非常に敏感になるため、頭を振ったり、首を傾げるような仕草をするだけでも痛みが強くなることもあります。発熱は38~39度以上とかなりの高熱が予想され、悪寒を感じることも。それに伴い、吐き気に苦しんだり、嘔吐することも珍しくありません。

 

ただし、お年寄りや免疫力が低下している人では、炎症反応が弱く、あまり高熱が出ないことも考慮しておく必要があります。
 
吐き気
 

髄膜炎発症の原因とは?

髄膜に炎症が起こると、痛みの原因となる「有痛物質(化学物質)」が脳内から放出され、髄膜や神経が過敏になっていることで激しい頭痛を感じるようになります。また、免疫システムが作動することで炎症反応が起こり、高熱や吐き気の原因となります。

 

主に細菌やウイルスの感染によるものが目立ちますが、真菌(カビ)や結核菌、がん細胞の転移によっても発症することがあります。これらの病原微生物などが血液を介して髄膜に入り込みむことで、徐々に症状が現れたり、亜急性に現れる場合もあります。
 
頭痛 発熱 吐き気

 

「くも膜下出血」などの頭蓋内出血でも半日後に発熱が見られることもありますが、突発的に激痛が襲ってくるという点では、髄膜炎とは異なっています。注意すべき点としては、ウイルス性髄膜炎ではあまり心配する必要はなく、特に治療しなくても自然に回復しますが、細菌性の場合は重症化することが多く、治療開始が遅れることで重い後遺症が残ったり、死亡することもあるということです。

 

したがって、頭痛、発熱に加え、吐き気を伴うケースでは、素早く的確な判断が要求されることになります。早期治療開始への重要なキーワードは「いつもと違う感じの頭痛」です。

 

髄膜炎の診断と治療

診断に関しては、頭痛、発熱、吐き気などの症状の出方を問診したり、最近罹った病気なども重要な判断材料とされます。ウイルス性では、のどの痛みや消化器症状など、風邪によく似た症状から進展することが多く、細菌性では、中耳炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などの耳鼻咽喉科系疾患が感染の原因になるからです。

 
発熱 吐き気
頭痛・発熱・吐き気の原因はインフルエンザ!?
 
その後、疑いが強ければ、腰椎の骨の間から穿刺針を使って髄液を採取し、原因物質を調べて確定診断が下ります。髄膜炎を起こすと、音や光の刺激に敏感になる特徴があるため、それらの刺激を回避できる静かな暗い場所での安静が求められます。

 

細菌性であれば、効果が期待できる抗生物質を選んだ上で投与されます。また、つらい症状を緩和するために解熱鎮痛剤、脳圧降下剤の他、精神安定剤なども用いられます。ウイルス性であれば、症状の緩和するための薬だけで、安静にして自然に治るのを待つという形です。

 

髄膜炎による頭痛は初期には痛みも軽いですが、最終的に激痛に移行し、発熱や吐き気などの苦痛を招くため、いつもと違う様子を察知することが最も重要となるでしょう。

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