やたら喉が渇く原因となる病気・糖尿病の可能性が高い!
実際に喉が渇くのは糖尿病や尿崩症などの病気が原因となっている場合もありますが、まずはご自分の体に何が起こっているのかをしっかり把握しておきましょう。
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私たちの体の60%は水分です。口から摂取した水分は汗や排尿、呼吸によって失われ、体内の水分量が減ってくると脳の中枢が刺激され、喉の渇きを感じるようになります。また、塩分やアルコールの摂取量が多くなると同じような現象が起こります。これはごく自然な生理現象といえます。その他、精神的に緊張する場面では口の中がカラカラに渇いてしまうこともよくあることです。
しかし、糖尿病など何らかの病気が原因で多尿や多汗がある場合、いくら飲んでも体からどんどん水分が失われていくため、やたら喉が渇くという状態になります。
また、精神科や心療内科などで扱われる病気、とくに自律神経失調症や心身症、うつ病などの患者さんの場合も似たような症状を訴えることがあります。精神科等で扱われる薬には、副作用として口や喉が渇くものも多数あるようです。
いずれにしても、日常生活においてストレス過多や精神的な問題を抱えていない場合、多尿であることこそが喉が渇く原因と考えるべきかもしれません。そして多尿といえば怖いのが糖尿病です。
目次
やたら喉が渇く糖尿病とはどんな病気?
糖尿病は膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞で作られるインスリン(血糖値を下げる作用がある)というホルモンの分泌量が低下したり、その働きが著しく低下することによって起こります。
大きく4つのタイプに分けられ、1型、2型、肝臓病など他の病気が原因で起こるタイプ、妊娠糖尿病があります。圧倒的に2型が多く、お酒の飲みすぎや過食(とくに糖分、脂肪分の摂り過ぎ)、運動不足など生活習慣の乱れが原因となります。
インスリンの働きが悪くなる糖尿病では、血液中にブドウ糖(グルコース)の量が増えすぎて高血糖状態が続き、様々な臓器に障害をもたらします。ブドウ糖は本来、私たちのエネルギー源となり、肝臓や筋肉、脂肪細胞などで利用されるものですが、糖尿病になると全身で上手に利用することも難しくなります。従ってブドウ糖は尿に混じって排泄されることになります。また、エネルギーとして利用できなくなるため、次第に痩せて行きます。
糖尿病で多尿になるのはなぜ?
腎臓内の糸球体で作られる原尿(尿の元となるもの)は1日に150リットルにも及びますが、糸球体の先にある尿細管で電解質や水分のほとんどが再吸収され、最終的に尿の量は1日1.5リットル程度になります。
しかし、原尿の中にブドウ糖が多過ぎると、浸透圧を上昇させ尿細管での水分の再吸収が難しくなります。結果として体外に出ていく尿の量が増え、多尿になります。
やたら喉が渇くというのは、糖尿病の初期症状とも言えますが、渇きが強ければ強いほど血糖値が上昇しているということなので、重症の場合も考えられます。早期に治療を開始しないと、三大合併症といわれる腎症、神経症、網膜症などを発症する危険性が高くなります。その他、動脈硬化による心筋梗塞、脳梗塞なども考慮しておく必要があります。
最悪、腎不全で人口透析をすることになったり、網膜症で失明したり、足が壊死して切断を強いられるなど非常に怖い病気ですが、食事療法、運動療法、薬物療法などで上手に血糖値をコントロール出来れば、普通の人と変わらない一生を送ることも可能なので、継続して治療を続けることが最も重要です。
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