白目が黄色い原因は肝臓病による黄疸かも!?
白目が黄色い原因として、肝炎や肝硬変をはじめとする「肝臓病」の疑いがあります。これは、いわゆる「黄疸」という現象で、肝臓内で作られる「胆汁」に含まれるビリルビンという成分が血液中に増加することによって起こります。
一般的には「皮膚の色が黄色くなる」という現象が多く知られていますが、黄疸が出ているかを判断する基準は、眼球結膜(白目の部分)です。普段よりも明らかに白目が黄色いという状態であれば、黄疸が出ている可能性は否定できません。
従って、「ウイルス性」「薬剤性」「アルコール性」「自己免疫性」などの「肝炎」によるものか、もしくは肝細胞の線維化が高度に進んだ「肝硬変」の非代償期に入っているケースも考えられます。
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目次
皮膚や白目が黄色い状態になるのはなぜ?
肝臓には約500種類もの働きがあり、「体内の化学工場」に例えられるほど多くの役割を果たしています。そして、最も重要な三大機能が「栄養の代謝」「有害物質の解毒」「胆汁の分泌」です。
そのうち、2500億もの肝細胞から作られるという胆汁は、主に食べ物の中に含まれる脂肪が消化・吸収される際に重要な役割を果たしています。成分としては、コレステロールを酸化した胆汁酸と、胆汁色素であるビリルビンなどが混ざったもので、アルカリ性の黄褐色の液体です。
また、ビリルビンは脾臓で破壊された古い赤血球の一部で、肝臓で水溶性に変化して胆汁の中に混ざります。「排泄物」としての役割も併せ持つ胆汁は、私たちの便の色を黄色に染めています。
よって、肝臓病が原因で胆汁が腸へ排出されなくなり、血液中のビリルビン量が増加すると、粘膜や皮膚に沈着して白目が黄色い状態になったり、次いで、皮膚の色も染まって行きます。
肝臓病による黄疸以外の症状とは?
まず黄疸が出る肝臓病といえば、ウイルス性の「急性肝炎」が挙げられます。黄疸に先立って尿の色が紅茶やウーロン茶のような濃い茶色に変化することがあります。風邪の症状と似ており、38度以上の発熱が続いたり、食欲不振、吐き気などを伴います。
アルコール性や薬剤性の場合も基本的に同じような症状が続きます。とくにB型、C型肝炎ウイルスの場合、一旦症状が治まっても、慢性肝炎へと移行する場合があります。食欲不振や倦怠感を感じる程度であるため、肝硬変へ発展するまで全く気づかないこともあります。もちろん黄疸も見られません。
肝硬変では、肝機能が極端に低下する非代償期に入ると黄疸が見られるようになります。アルコールの過剰摂取が原因となって最終的に死に至ることもあるため、肝硬変になる前に何としても食い止める必要があります。同じく薬を長年服用している人も要注意です。
他の病気の可能性も!?
他にも、黄疸が出る病気として胆道系のトラブルがあります。肝臓で作られた胆汁を一時貯蔵・濃縮する「胆のう」という臓器では、結石(胆石)が作られることも珍しくありません。その結石が十二指腸までの経路(主に総胆管)を塞いでしまうと、胆のう炎、胆管炎を発症しやすくなります。
また、胆道にがんを発症することも考慮しておく必要があります。慢性膵炎の急性増悪や、膵管と総胆管が合流する十二指腸乳頭部に胆石が詰まった場合も、胆汁の流れを止めてしまうことで起こり得る現象となります。目の色が黄色いと感じている人で、胆石などによる腹痛が一切ない場合、まず肝臓病の発症を疑ってみて下さい。
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