体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

動悸・息切れの原因は心房細動という不整脈の1つ!?

動悸・息切れの原因は心房細動という不整脈の1つ!?動悸・息切れの症状がたまに襲ってくる原因として、「心房細動」という心臓の病気の可能性があります。これは、脈がバラバラになってしまうという不整脈の1つで、「発作性」と「慢性」の2つのタイプが存在します。急に心臓がドキドキして、動悸や息切れが目立つ場合、発作性の心房細動を起こしているのかもしれません。心臓病というと、滅多に患うことはないと思いがちですが、実は60人に1人の割合で発症する「ごくありふれた病気」です。症状の出方には個人差があり、全く無症状の人が約半数を占めており、1週間に1度というペースで発作が起こるという人もいます。発作が比較的多くなると慢性に発展することもあるため、動悸や息切れが起きている時に心電図などの検査を受けておいた方が安心です。全く無症状の時では、医師による判断は難しいため、少し大掛かりな検査を受ける必要も出て来ます。

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目次

心房細動で動悸・息切れが起こるメカニズム

小学校の理科の授業で学習したと思いますが、心臓には「右心房」「左心房」「右心室」「左心室」の4つの部屋が存在します。血液の流れで見ていくと、上大静脈や下大静脈から右心房に血液が集まり、その後、右心室へ流れ込みます。右心室から肺動脈を通って肺へ血液が送られ、酸素を十分に含んだ血液が再び左心房へ戻ってきます。さらに左心室へ送られ、そこから大動脈を通って酸素を十分に含んだ血液が全身に送られて行きます。心房は「血液の貯蔵庫」で、心室は「血液を送り出すポンプ」の役割を果たしています。健康な人であれば「洞結節」からの電気信号により「正常洞調律(規則的な脈のリズム)」に保たれていますが、心房細動の場合は、でたらめで速い電気信号が心房内に小刻みに送られ、細かな収縮を何度も繰り返します。それがポンプの役割を果たす心室にまで悪影響を及ぼし、その結果、脈が全くバラバラの状態になり、動悸や息切れを起こす原因となっています。

 

動悸・息切れを放置すると?

心房細動は直接命に関わる病気ではありません。ポンプの役割が失われる「心室細胞」の場合は、血液の流れが完全にストップすることもあるため、命の危険を伴います。似ている病気と思いがちですが、両者は全く異なる病気といってよいです。しかし、心房細動の患者さんの問題点は心房内に「血液のよどみ」が発生することです。これによって心室がポンプの役割を失うことはありませんが、血液のよどみは血栓という血液の塊を作りやすくなります。したがって、血液をサラサラにする効果のある「ワルファリン(商品名:ワーファリン)」などを日常的に服用している人が多いのです。これは血栓によって脳梗塞などを引き起こす予防策としての役割を果たすものです。もう1つの合併症に「心不全」があり、心臓から送り出される血液量が足りず、肺や全身にむくみを生じますが、こちらは比較的治りやすい傾向があります。いずれにしても、動悸や息切れの原因がわからない時は循環器内科などの病院で診察を受けて下さい。

 

動悸・息切れなどの発作を抑えるには?

この病気は、加齢によるものの他、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と並行して起こることが多く、心房細動だけを抑えようとしても改善は難しいです。また、生活習慣病そのものがこの病気の引き金になっていることも多いのです。よって、定期的な運動、十分な睡眠、精神的・肉体的ストレスの排除、減塩、過食を避ける、禁煙、アルコール摂取量を抑えるなどの日常的なスタイルを変える必要も出て来ます。突然の動悸や息切れ、心臓がドキドキするなどの原因を作るのは、あくまでも生活習慣の乱れであることを自覚し、高血圧や糖尿病などの適切な治療自体が、心房細動を改善に導くものとして認識しておく必要があります。症状の出方は千差万別ですが、脳梗塞や心不全を未然に防ぐためにも、健康診断や人間ドックなどで早期発見に努めたり、発作が目立つ時は医師による早期治療を心がけることが大切です。

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