体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

女性の下腹部痛は卵巣チョコレート嚢胞の疑いも!?

女性の下腹部痛は卵巣チョコレート嚢胞の疑いも!?女性の下腹部痛の原因として「卵巣チョコレート嚢胞」が挙げられます。この病気は卵巣にできる子宮内膜症とされ、卵巣の中にチョコレート状の液体を含む嚢胞を作るものです。月経周期に伴い出血を繰り返すうちに、次第にドロッとした血液がたまって行きます。液体状のものがたまって行くところは卵巣嚢腫に似ていますが、チョコレート嚢胞の場合はどんなに大きくなってもオレンジくらいの大きさまでです。

 

主な症状は月経痛で、下腹部痛や腰痛に苦しむ女性も多いとされています。不妊との関係も深く、出産を希望する女性はとくに注意しておきたい病気になります。また、まれにがん化する恐れがあるため、決して甘く見ることはできません。

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目次

下腹部痛がひどくなる場合も!?

月経痛は、人によって痛みの程度に大きな差が見られることもありますが、鎮痛薬を服用しても日常生活に支障を来す場合は、早めに婦人科で診てもらう必要があります。チョコレート嚢胞の月経痛は、少しずつ強くなって行くという特徴があり、「下腹部痛や腰痛が以前よりもひどくなった」と訴える女性も多いです。とくに周囲の臓器に癒着すると、激しい痛みが襲って来る場合もあります。

 

卵巣や子宮の後ろにあるダグラス窩に癒着することが多く、そのなると圧痛や排便時の痛みが強くなることは避けられません。嚢胞の被膜も比較的破れやすい傾向があるため、腹腔に漏れ出して、さらに重症化する危険性も出てきます。また、まれに子宮がん検診がきっかけで感染症を起こし、強い下腹部痛や高熱に苦しむケースもあるようです。

 
卵巣チョコレート嚢胞
 

放置すると卵巣がんへの発展も!

チョコレート嚢胞で最も怖いのが、悪性腫瘍に変化する可能性があることです。薬などで症状の緩和ができたとしても、知らないうちにがん化していたということも十分起こり得るものです。また、卵巣がんを発症した女性の15%程度は、チョコレート嚢胞を合併していたというデータもあるため、この病気の経過観察は慎重に進めなければいけません。

 

とくに45歳以上の女性の場合、わずか1~3年程度でがん化する可能性があるため、要注意とされています。その他、嚢胞の直径が10cmを超えたり、閉経後なども危険因子となっているため、嚢胞のサイズが少しずつ大きくなっている場合は楽観視できません。下腹部痛や腰痛が月経時以外にも起こるという人は重症化している可能性が高いため、専門医による治療も必要となるでしょう。

 
女性 下腹部痛
月経障害を伴う子宮・卵巣の病気とは?
 

チョコレート嚢胞の治療方針

この病気の治療にあたっては、嚢胞の「縮小」を目的とするものと、「消失」を目的にするものの2つの方針が採られています。年齢的なものや、症状の程度、妊娠を希望するかどうかなどで、総合的に判断されています。

 

薬物療法、ホルモン療法、手術療法が主な治療法ですが、患者本人の意思にも左右されますので、医師に提案された方針についてよく考えた上で答えを出して下さい。また、月経時以外にも度々下腹部痛を感じるという女性は、早急に検査を受けましょう。

女性の下腹部痛と腰痛は子宮筋腫の疑いも!

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