体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

麻疹の症状とは? 赤ちゃん・子どもの予防接種は必須!

麻疹 予防接種

麻疹の症状とは? 赤ちゃん・子どもの予防接種は必須!「麻疹(はしか)」は、「水疱瘡」や「おたふく風邪」とともに、子どもに多い病気ですが、単に「熱や発疹などの症状が出るだけ」と安易に考えることはできません。とくに1歳児の赤ちゃんが罹りやすいため、重症化して知覚障害などの後遺症が残ったり、もちろん命を落とすこともあります。現在、予防接種にまさる予防法はありませんが、万一発症したときのために、麻疹の症状について確認しておきましょう。

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目次

麻疹の特徴とは?

「麻疹ウイルス」に感染することで発症し、このウイルスは人から人へうつる感染力が非常に強いという特徴があります。罹った人と話したり、その人の咳やくしゃみなどで空気中飛び散ったわずかな唾液を吸い込むだけでも感染する、いわゆる「飛沫感染」が目立ちます。したがって、保育園、幼稚園、小学校などを休ませて、ある程度隔離することを必要とします。

 

麻疹に罹ったことのある母親から生まれた赤ちゃんは、母親からの先天免疫によって生後6ヶ月くらいまではほとんど発症しません。また、1度罹った経験があれば、2度目はまず有り得ません。潜伏期間は9~11日とほぼ一定しており、感染していれば確実に発症します。ワクチンの予防接種を受けていると、20日程度まで潜伏期間が延びることもあります。

 

麻疹の症状とは?

最初に38度くらいの熱が出て、咳、くしゃみ、鼻水、眼結膜の充血、不機嫌など、ほぼ風邪と同じような症状が出ます。発病後2~4日頃、口中の頬の粘膜に直径1ミリ位の周囲の赤い「白い斑点(コブリック斑)」が見られます。斑点の数は数個程度から時には頬や唇の粘膜全体に広がるほど多数に及ぶことがありますが、体に発疹ができる頃には消えてしまいます。

 

3~4日間、風邪のような症状が続いた後、熱がいったん下がることで「回復した」と思いがちですが、今度は40度近い高熱が出るとともに、耳の後ろや首などに赤い発疹ができて、2~3日中には全身に広がります。余病を起こさなければ、発熱、発疹ともに3~4日で回復していきます。時には発疹から出血する「出血性麻疹」が見られる場合もあります。

 

発疹が消えた後は暗褐色の色素沈着が残りますが、これは他の発疹性伝染病には見られません。約1週間ほどで皮膚が細かい糠のように剥けてきて回復期に入ります。発病からの期間は大体10日前後ですが、これ以上高熱が続く時は「肺炎の併発」、また微熱や食欲不振が続く時は、「結核の活動化」などが心配されます。

 

このように、麻疹は高熱が続いて非常に体力を消耗させる重い病気であると考えるのが普通です。とくに赤ちゃんや小さな子どもには大きな負担といってよいでしょう。

 
麻疹 症状 赤ちゃん
子どもの急な発熱・重症度と対処法
 

重症化すると?

麻疹の経過中に発疹が急に消え、脳症状や呼吸困難を起こし、病状が急に悪化する場合があります。これを「麻疹の内攻」と呼びますが、これは肺炎や一般症状の悪化で「心臓衰弱」が起こり、体が発疹を起こす反応力さえも失なってしまったことを意味しています。内攻といっても、発疹が体内に入ってきたことを示しているのではありません。

 

余病としては、肺炎、腸炎、口内炎、中耳炎、眼疾患、リンパ腺炎、脳炎などが見られ、赤ちゃんや子供が脳炎を起こせば、手足の麻痺を起こしたり、知的障害による後遺症の心配、命の危険も覚悟しなければなりません。

 

麻疹の予防接種は重要!

残念ながら「特効薬」と呼べるものがないため、対策としては予防接種を受けることが最も効果的とされています。1~7歳半の子どもであれば自治体の公費負担になり、予防接種を受けると約95%の人が発症を防ぐことが可能です。しかし、最も発症しやすい1歳児の赤ちゃんが受けていないという問題も指摘されています。

 

この予防接種は1度受ければ一生効果が続くといわれ、母親がはしかに罹ったことがあり、予防接種を受けていると、子供にも免疫が伝わるため非常に重要です。この免疫は約1年間続きますので、1歳未満の赤ちゃんが発症する危険性が少なくなるのです。つい忘れてしまったという場合は早期に受けさせておくことが何よりも大切になります。

 
子ども 麻疹
 

予防接種の問題点は?

麻疹の予防接種は、一時期副作用が問題になったことがありますが、ワクチンの開発自体も進んでおり、重い副作用が出て命に関わるようなことはほとんどありません。確かに軽い副作用が出ることは全くないとはいえませんが、実際に麻疹に罹る危険性を考慮すれば、大きな問題ではありません。

 

ただし、発熱がある場合や急性肝炎などの重い疾患に罹っている際は、その治療に専念した後に受けることが望ましいです。また、「卵アレルギー」が強いという人は、まれにアナフィラキシーショックによる呼吸困難を招く恐れがあるため、必ず専門医に相談した後、判断されるべきことです。また、大人の方で妊娠中の女性は流産の危険性が指摘されています。

 

母子手帳の確認を!

自分を含め、赤ちゃんや子どもが麻疹の予防接種を受けたかどうかは、母子手帳を確認すればすぐにわかることです。もちろん大人でも罹る病気ですし、子どもと同じような症状が出て、重症化しやすいこともあります。予防接種は2回受ける人も少なくありませんので、未発症の大人でもせめて1度は必ず受けておきましょう。

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