体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

ノロウイルス感染症の症状・潜伏期間は?消毒・予防法は?

ノロウイルス感染症の症状・潜伏期間は?消毒・予防法は?冬に見られる「下痢」や「嘔吐」などの症状は、「ノロウイルス」による感染症の疑いがあります。非常に感染力が強く、子どもから大人まで幅広く発症するため、「いかに感染の拡大を防ぐか」ということが最重要課題になります。

 

また、「主な症状」「感染ルート」「発症まで潜伏期間」「消毒による予防法」などを把握しておくだけでも、迅速でスムーズな対応がとれるはずです。家庭内での二次感染などを防ぐ意味でも、ノロウイルスについて理解しておきましょう。

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目次

ノロウイルス感染症の症状と潜伏期間

ノロウイルスに感染すると、24~48時間の潜伏期間を経て、「激しい腹痛」を訴え、「下痢」「嘔吐」「38度以下の発熱」を起こします。これらの症状には個人差があるため、人によっては「風邪に伴う胃腸症状」程度の軽いケースや、重症化してたいへんな苦痛を伴うケースなど様々です。

 

健康な子どもでは、ノロウイルスよりもロタウイルスの方が断然怖いといわれていますので、重症化することは少ないといえます。ただし、もともと抵抗力が弱い人や持病を持つ大人、高齢者の方では、ノロウイルス感染によって重症化して「脱水症」を合併することも多くなるため、十分注意する必要があります。

 

ここ数年、「集団感染」などでマスコミにも取り上げられることが増えたせいもあり、特別なウイルスと認識している人も多いですが、一般的には、下痢や嘔吐、発熱などの症状は、早ければ1~2日で消失することも珍しくありませんので、もし発症したとしても慌てずに医療機関を受診し、適切な治療を受けて下さい。

 

激しい腹痛
 
また、症状が治まっても、2~7日はウイルスが便に排泄され、高い感染力を維持していますので、家庭での消毒は怠らないようにして下さい。

 

ノロウイルスの特徴と感染ルート

ノロウイルスは、直径約30nm(ナノメートル)とされ、「1nm=100万分の1mm」ですから、細菌よりもはるかに小さな粒子です。以前は「小型球形ウイルス」と呼ばれており、表面に小さな突起物がたくさんついた球形をしています。

 
ノロウイルス
ロタウイルス感染症の症状とは?
 

主に牡蠣などの二枚貝に蓄積されており、加熱不足で食べることで感染・発症に繋がります。また、感染した人の嘔吐物、便などに触れることにより、手や口を介して人から人へ移って行きます。いわゆる「接触・経口感染」と呼ばれるもので、手洗いを入念に行えば口に入ることはまずありません。

 

もし体内に入り込んだ場合、私たちの小腸の中で感染し、増殖を繰り返して大量に増えると考えられています。下痢などの便に含まれたノロウイルスは、下水を通じて河川、海へと流れついて、貝類へと蓄積されることになります。1~数年後、再びその貝を人間が食べることで、感染・発症するという悪循環を繰り返していることになります。

 

ノロウイルス感染症の治療法

現在のところ、残念ながらノロウイルスを完全に抑え込むような特効薬はありません。したがって、発症している間は「体力の消耗」や「脱水症」を回避するため、栄養や水分の補給は欠かせません。できるだけ食べられるものを食べ、水分をこまめに摂るようにして下さい。

 

水も飲めないほど下痢や嘔吐の症状が激しい場合、病院で点滴を受けることが必要になります。下痢止めの薬は、却ってウイルスの排出を遅らせることになるため、使用は控えます。その他、保健所へ連絡・相談し、指示に従うようにします。感染ルートの特定のため、2~3日前に食べたものなどを報告することも必要になります。

 

ノロウイルス感染による消化器症状は「流行性下痢嘔吐症」の1つであり、これといった治療法はありませんが、体力を温存しながらウイルスが自然に排出される環境を作るのが一番です。
 
点滴
 

予防法の基本は手洗いと消毒!

ノロウイルスの感染を予防するためには、まず調理や食事の前、トイレ後などの「手洗い」が欠かせません。石鹸を使って入念に行います。牡蠣をはじめとする二枚貝を食べるときは、85度以上の熱で一分間の加熱が必要です。中までしっかり加熱できていれば、ウイルスが変性し感染力が失われます。

 

「生食用」という表示のある牡蠣は、食品衛生法に基づく基準をクリアしており、安全性の高いものです。その表示が無いものは、いくら新鮮なものでもすべて加熱の対象となります。

 

また、調理の際に使用した包丁やまな板などの調理器具は、他の食材をも汚染する可能性が残っています。よく洗った上で、熱湯や塩素系の消毒剤を使って消毒します。忘れやすいポイントとして「食器洗い用のスポンジ」「水道の蛇口」なども見落とさず、消毒して下さい。
 
手洗い
 

もし家庭内でノロウイルス感染者が出た場合、その便に直接触れないようにします。嘔吐物なども必ずエプロン、マスクを着用の上、使い捨ての手袋などを装着してから処理します。トイレの便器、ドアノブなどはウイルスが残りやすいため、同様に準備をしてから塩素系消毒剤で消毒します。

 

感染者の症状が改善しても、2~3週間は最後に入浴してもらいます。もちろん感染者が母親であれば、調理をすることは最も危険ですので、市販のお弁当やお惣菜などを利用し、食事の方法をしばらく変更する必要があるでしょう。

 

通常、感染後に発症するまでを「潜伏期間」と呼びますが、ノロウイルスには症状が治まってからの「もう1つの長い潜伏期間」があると認識しておけば良いかと思います。

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