体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

女性の下腹部痛と腰痛の原因は骨盤内うっ血症候群!?

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女性の下腹部痛と腰痛の原因は骨盤内うっ血症候群!?女性の「下腹部痛」や「腰痛」の原因として「骨盤内うっ血症候群」という病気の可能性があります。これは、子宮を取り巻く下腹部の血液が流れにくくなった状態を意味し、通常前に傾いている子宮が、後ろに傾いていると起こりやすい傾向にあります。

 

月経時のみならず、普段から下腹部痛を感じたり、長い間立ち仕事をしている時に腰痛を訴えることも多くなります。「頭痛」や「めまい」、「肩こり」などの不定愁訴を伴うことも多いため、一度婦人科の医師に相談して漢方薬などで改善を図ることも大切です。

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目次

下腹部痛と腰痛の原因が見当たらないことも!

この病気は、専門の医師が診察しても子宮周辺に腫瘍などの器質性異常が見当たりません。しかし触診を行えば、確実に痛みを伴います。子宮の入口も色があせて、黒ずんだように見えることもあります。また、痛みを伴う時期は、おりものが増えることもあります。

 

下腹部痛は月経の前に強くなり、月経が始まると軽くなるという傾向があり、女性ホルモンである「エステロゲン(卵胞ホルモン)」の作用によるものと考えられています。エステロゲンは女性の生殖器(膣、子宮、卵巣)の静脈を拡張させる作用があるため、血液のうっ帯を起こし、いわゆる「静脈瘤」を起こしやすくなっています。

 

もちろん、命に関わるような「脳や食道の静脈瘤」などと比べると大袈裟なものではありませんが、時折激しい下腹部痛が襲ってくることもあるため、「子宮がん」「卵巣がん」などの不安が一層募ります。とくに長時間立ちっぱなしの職業を持つ女性は腰痛を伴うことが多くなるため、少しでも痛みを軽減させて、日常生活に支障を来すことのないよう、薬を使った治療なども必要になります。

 
女性 腰痛
 

骨盤内うっ血症候群に現れやすい症状は?

下腹部痛や腰痛以外では、「脚の痛み」を訴えることが多くなります。とくに「鼠径部(太ももの付け根)」に現れやすくなっています。頭痛、めまい、肩こりの他、便秘がちになったり、尿が近くなったりと、人によって異なる不定愁訴が目立ちます。

 

「ひどく疲れやすい」「一日の終わりに症状が出る」「起床時に症状が出る」など、様々なパターンがあるようです。そうしたことで「月経前症候群(PMS)」との鑑別も難しくなり、また、痛み止めの薬が効きにくいという特徴もあるため、漢方薬を使って「於血(血液の流れが悪くなった状態)」を取り除き、症状の改善を図るのが有効とされています。

 
女性 下腹部痛 腰痛 
女性の下腹部痛と腰痛は子宮筋腫が原因!?
 
あまりにも苦痛が続くようであれば、手術で子宮を切除することも考えなくてはいけませんが、「漢方薬を試したが、改善されなかった」「QOL(生活の質)が落ちている」「将来、出産予定がない」など、特別な場合のみに限られる措置です。

 

下腹部痛と腰痛は漢方薬で治る?

前述したように、東洋医学、いわゆる漢方では、骨盤内うっ血症候群を「於血」に原因があると捉えられています。ただし、この於血は全身の様々な因子が絡み合って起こると考えられているため、「駆於血剤」で全身の状態を改善する目的で使用されています。

 
漢方薬
 
「虚証」と呼ばれるひ弱なタイプの女性には「温経湯(うんけいとう)」や「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、「実証」と呼ばれる体力のあるタイプの女性には、「桂枝伏苓丸(けいしぶくりょうがん)」や「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」の服用が有効とされています。

 

漢方薬の良いところは、有効成分が体に蓄積されて行くことで抵抗力を身に付け、症状を改善したり、病気の一歩手前の「未病」という段階で食い止め、回復を図ることができる点です。生理痛のような下腹部痛や、つらい腰痛、その他の症状に至るまで、改善の期待ができるものとして利用されています。

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