体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

妊娠中毒症の症状、むくみ・高血圧・たんぱく尿に要注意!

妊娠中毒症 症状

妊娠中毒症の症状、むくみ・高血圧・たんぱく尿に要注意!胎児の発育を妨げ、尚且つ、母子ともに生命が脅かされることもある「妊娠中毒症」は、初期に自覚症状が乏しく、重症化する恐れのある危険な病気です。主な症状は「むくみ」「高血圧」「たんぱく尿」です。発症の原因については、全てが解明されている訳ではありませんが、「食中毒」や「アルコール中毒」などのように、何らかの毒素によって症状が現れると誤解している人もいるようです。

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女性が妊娠すると胎盤を中心とした内分泌(ホルモン)によって、母体の代謝が大きく変化したり、血液量が増したりして、思わぬ弊害が現れるもので、「妊娠による変化に母体が適合できない」というのが妊娠中毒症であると考えられています。

 

目次

妊娠中毒症の症状

妊娠中期から後期にかけて、「浮腫(むくみ)」「高血圧」「たんぱく尿」などの3つの症状のうち、1つでも現れると「妊娠中毒症」と診断されます。「正常位胎盤早期剥離」を除けば、一般に初めて妊娠した人に多く、中年での初妊娠や、双胎の場合に発症率が高まります。

 

・浮腫(むくみ)
普通、最初に現れる症状は「下肢の浮腫」で、その多くは妊娠8ヶ月頃に現れます。これよりも早い時期に(例えば5ヶ月ほどで)浮腫が現れると重症化する危険性も否定できません。また、妊娠末期になると、長時間立ったままでいたり、腰掛けたままでいる時に下肢に多少の浮腫が出ていることに気づきますが、安静にしていれば消える程度のものなら問題ありません。

 

ただし、なかなか消えないばかりか、むくみが外陰部、腹部、顔へと、体の上部に上がってくるようであれば、妊娠中毒症による症状の可能性が出てきます。「体重の増加が1週間で500g以上ある」「膝の下の部分を指で押すと凹む」などが浮腫の目安となります。

 

・高血圧
妊娠中毒症の症状が母体に与える影響は、高血圧による腎臓や肝臓などの臓器の機能障害が主なものです。さらに、重症化すると胎盤への血流が不足し、「胎盤の機能不全」という事態も考えられます。その結果、胎児への栄養が不足しますので、胎児の命にも関わる最も危険な状態であることは確かです。

 
妊娠中毒症 高血圧
 
母体の血液量は、妊娠が進むとともに増え続け、出産が近くなる頃には通常時の約1.5倍の血液量になります。とくに血液の液体成分である「血漿」が増えることで、サラサラとした「薄い血液」になり、胎盤の狭いところをスムーズに流れやすくなっています。

 

しかし、血液量が増えることは血管壁への圧力を強くするため、母体の高血圧を招く原因に繋がり、妊娠中毒症で最も厄介な症状であるといわれています。「血圧の上昇・下降」を司るホルモンのバランスが崩れたり、ナトリウムやカルシウムなどが血管の細胞に蓄積されると、血管の感受性が高まり、末梢血管を収縮させることに繋がります。

 

サラサラで血液の粘性が失われていることも手伝って、妊娠時は高血圧を発症しやすくなっています。最大血圧140mmHg以上、最小血圧90mmHg以上が目安になります。

 

・たんぱく尿
腎臓は血液をろ過して、体に必要な成分を血液に残し、不要なものは尿として排泄する機能を担っています。しかし、妊娠中毒症になると、高血圧によってこのろ過機能に障害が起こりやすく、体にとって必要なたんぱくが失われてしまいます。

 

ただし、自覚症状を伴わないため、試験紙を使って測定したり、産婦人科で尿検査を行わない限り、発見する方法はありません。もし重症化すると、吐き気や目の異常(チカチカする)などの症状を伴う場合もあるようです。1日に200mg/dl以上のたんぱくが尿中に含まれるかが目安となります。
妊娠中毒症 たんぱく尿
産後うつの症状・原因について
 

 

妊娠中毒症で自覚症状はあるか?

自覚症状がはっきりしているのは、体のむくみくらいで、あとは高血圧により頭重感や軽い頭痛がある程度だと予想されます。したがって、妊娠中毒症を発見する手立ては、産婦人科で定期的に検診を受ける必要があります。とくに妊娠中期から後期は検診を怠らないようにしましょう。

 

妊娠中毒症になりやすい人とは?

まず、父親または母親が高血圧などの家族歴がある人は危険性が高まります。高血圧はとくに注意する必要があり、20歳以下や35歳以上での初の妊娠はとくに血圧の上昇傾向が見られます。また、過去に「腎炎」などの腎臓病を患った経験がある人も、妊娠中毒症には警戒して下さい。

妊娠中毒症 症状

妊娠中毒症には「純粋型」と「混合型」という2つのタイプがあります。純粋型は妊娠によって初めて症状が現れるもので、混合型は妊娠以前から高血圧症などの疾患を持つ場合を呼んでいます。純粋型の人は妊娠20週以降で高血圧の症状が現れ、出産後42日までには元に戻るのが一般的です。もしこれを超えるようであれば、専門医のもとで腎臓の機能を調べておく必要があります。

 

妊娠中毒症と診断されたら?

基本的に「安静」と「食事療法」が治療法となります。横になる時は「左側臥位」といって、体の左側を下にして休むのがベスト。下静脈の圧迫を防ぎ、胎児への影響もありません。仰向けの姿勢は、血管を圧迫することで胎盤への血流が悪くなります。足のむくみやたんぱく尿などの症状の他、胎児への栄養供給が上手く行かないこともあります。

 
胎児
 
食事療法では、小魚などを食べてカルシウムを補うことが大切です。高血圧の予防は減塩だけでなく、カルシウムを多めに摂ることも必要です。また、喫煙者の場合、ニコチンの作用で血管を収縮させてしまいます。胎児への影響も考慮して禁煙しましょう。

 

妊娠中毒症では、ストレスをためないような工夫も必要です。ストレスが血圧を上げるホルモンを分泌するためです。自律神経のバランスを保つ意味でも、精神的不安や緊張を取り除くよう心掛けましょう。

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