右上腹部痛の原因が急性胆のう炎という危険性も!?
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目次
右上腹部痛が長く続くほど発症している可能性が!
急性胆のう炎は、ほとんどの場合、胆石による疝痛発作に引き続いて起こります。激しい右上腹部痛などが2~3時間も続くようなら、すでに発症している可能性が高くなります。胆汁の流れが滞ることで、腸から逆行して来た大腸菌、緑膿菌、腸球菌などが胆のう内に入り、増殖して炎症を悪化させてしまいます。また、十二指腸への経路である総胆管に胆石が詰まり、先に「急性胆管炎」を起こした場合も、結果として胆のうにまで炎症が及ぶことも多くなります。特に高齢者や糖尿病患者のほか、39度近い発熱などを伴えば、重症化して胆のう壁が壊死して、命に関わる危険性を秘めています。
右上腹部痛は食後に襲って来る!
食後、胃で消化された食べ物(とくに脂肪分)が十二指腸へ送られると、コレシストキニンというホルモンが分泌され、その刺激によって胆のう収縮が起こり、胆汁が押し出される仕組みになっています。胆汁自体は消化酵素ではありませんが、膵臓から分泌されるリパーゼという消化酵素の働きを助ける役割を持ち、脂肪の分解に必要な「界面活性剤」と表現されます。従って、食後1~2時間経過すると胆汁の分泌も多くなるため、突然激しい右上腹部痛が襲って来るのが胆石の特徴です。急性胆のう炎に発展すると、細菌感染による炎症のため、微熱程度だったものが急激に高熱に変化して行きます。同時に、悪寒、冷や汗、吐き気なども伴います。そのまま進行すると、発作が右上腹部痛のみに限定され、激痛も鈍痛に変化して行くことがあります。もちろん、これは悪化の一変化に過ぎません。
重症化すると最終的には!?
炎症が進んで胆のう壁が壊死する「急性壊死性胆のう炎」に発展すると、その壁に穿孔が起こり、細菌を含んだ胆汁が漏れ出します。すると、周囲への組織にまで炎症が広がって化膿してしまう「胆のう周囲膿瘍」は避けられない状況です。さらに腹膜に広がって「胆汁性腹膜炎」を起こせば、急性の循環不全に至り、心臓や肺、肝臓、腎臓などの機能が障害を受けるため、重篤な状態となってしまいます。日本人の約15%は胆石保有者とされ、いつ発作が出てもおかしくない人も多いかと思います。急激な右上腹部痛は「命取り」になることを把握しておく必要があるでしょう。
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