左右の片側に顔面痛があれば、三叉神経痛の可能性も!?
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目次
左右の片側に起こる顔面痛の程度とは?
突然、顔面の左右の片側に激烈な痛みの発作が襲ってきますが、これは人間が感じる痛みの中で最も強いものだと言われています。電気が走るような鋭い痛みは、数秒から2分間くらい継続しますが、時には20分程度持続する場合もあります。発作の間欠期には痛みがないのも特徴的で、ある日を境にピタッと発作が治まる場合もあるようです。いわば「寛解」という呼び方もできますが、あくまでも「完治」というわけではありませんので、そのまま放置しておくと再び発作がよみがえることがほとんどです。激しい痛みを何度も繰り返しているうちに、次第に悪化することも多く、発作の間隔も短くなって行きます。最悪の場合、苦痛が治まることなく、ずっと続くという場合も有り、頭部にも症状が現れることも珍しくありません。
トリガー点を知っておきましょう!
顔の表面には、三叉神経に沿った形で、「トリガー点」と呼ばれる「痛みを誘発する部分」が存在します。激痛を招くことになる「引き金」を示す言葉ですが、その部分を刺激することにより激しい発作が起こりやすくなっています。とくに、目とまゆ毛の間の部分や、小鼻からほうれい線に沿ったラインはトリガー点となっており、口の周りや口腔内の歯肉や粘膜にも存在しています。したがって、食事や歯磨き、洗顔、ひげ剃りなどの日常的な行為や、会話などでも誘発される場合も多いのです。
三叉神経痛は中高年にとくに多い!
三叉神経痛は60~70歳代の中高年に最も多く、加齢による「動脈硬化」が影響していると考えられています。動脈硬化に伴って血管が蛇行することも多くなり、三叉神経に近づいたり、圧迫するようになります。その結果として、心臓からの血流(拍動)が絶えず神経を刺激することになるため、次第に神経細胞が刺激に対して過敏になってしまいます。そうなると日常生活で必要な行為がトリガー点をわずかに刺激しただけでも、激しい痛みが誘発されてしまいます。もちろん、中高年だけが患うものではなく、脳内の腫瘍や炎症も引き金になるため、比較的若い世代にも起こり得るものです。左側、右側に関係なく、頬や下顎辺りに激しい顔面痛を感じる場合は、早めに治療を開始した方が得策です。ただの神経痛といっても最強レベルの激痛を伴いますので、MRIなどによる画像診断を急いで頂きたいと思います。
治療方法としては、薬物療法、神経アルコールブロック注射、高周波熱凝固法、血管減圧術、ガンマナイフなどが用意されていますが、QOL(生活の質)が著しく損なわれる前に、脳神経外科、麻酔科、ペインクリニックなどの専門医に助言を仰ぎつつ、自分に最適なものを選択して下さい。また、似たような症状を持つ病気に「非定型顔面痛」「帯状疱疹後神経痛」があるため、詳しい鑑別も必要になるでしょう。
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