頭痛・耳鳴り・めまい・吐き気の原因は脳過敏症候群!?
頭痛や耳鳴り、めまい、吐き気が襲ってくる原因として「脳過敏症候群」が挙げられます。これは、慢性化した脳の異常な興奮が引き起こす症状の総称のことで、偏頭痛などの頑固な頭痛を経験していた人などによく見られるものです。
主な症状は、頑固な頭痛、耳鳴り、めまい、吐き気、頭重感などがありますが、耳鳴りの場合は、耳の中が障害されて起こるものとは異なり、脳の興奮が音を認識する側頭葉の聴覚野に及ぶため、片側の耳だけでなく、両側の耳に現れます。
脳内の異常によって起こるため、通常の耳鳴りではなく「頭鳴」という呼び方をしています。MRIなど、どんなに詳しい検査を受けても原因が見つからないこともあるため、特定の障害があっても単なる「不定愁訴」として片付けられ、症状を抑える薬を長年服用している人も多いとされています。
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目次
不適切な対応で脳の興奮が高まる!
脳過敏症候群で悩まされている人の多くは、過去に頑固な偏頭痛などを患っていた人で、それに対する長年の不適切な対応が、脳の異常な興奮状態を招く原因となっています。痛みを和らげるだけを目的とした薬物療法を続けた結果、脳はわずかな刺激でも過敏に反応するようになり、それが癖となって悪化していきます。
また、脳の興奮性の高さは、親から譲り受けた遺伝や体質が深く関与しているといわれています。とくに母親が偏頭痛を持っていると、子どもが同じように患うことが非常に多いという統計もあります。
子どもは頭痛、耳鳴り以外の症状が出やすい!?
頭痛体質の子どもの場合、強い頭痛や耳鳴り(頭鳴)などの症状は年齢的に表に出ていないことがほとんどですが、「小児周期性症候群」といって、特徴的な症状を持ってるといわれています。「自家中毒」と呼ばれる周期的な嘔吐や、乗り物酔いしやすく、日常的にも吐き気や強い腹痛があったり、体を少し動かしただけでめまいを起こすこともあります。
脳が些細な刺激にも反応しやすいため、几帳面でこだわりの強い気質、落ち着きの無さ、突拍子の無い行動、気管支喘息などのアレルギー体質などを抱えていることも多いです。
また、騒音やにおいなども苦手な場合も多く、人ごみの中で吐き気を催すことも珍しくありません。これらの特徴的な症状を持つ子どもは、将来偏頭痛を患いやすいと考えられています。
頭痛・吐き気・生あくび・眠気は偏頭痛!?
不眠症や抑うつ状態を引き起こすことも!
慢性的な頭痛を過去に抱えていた人は、耳鳴りやめまい、吐き気などの他、抑うつ状態や不眠症になって「夜眠れない」といった精神症状が残ってしまう場合があります。とくに周囲の人に気配りができる人や、何にでもよく気づく人などは、外部の刺激に対して敏感に反応することができてしまいます。
些細な出来事や不安、ストレスにも過敏になっており、とくに痛みに対しては過剰反応を示し、脳の興奮が悪い影響を及ぼすことも多くなります。症状が重い場合、不安や抑うつ感が一層強くなることも予想されます。
ただし、患者さんの多くは、年齢とともに慢性の頭痛や吐き気が和らいで行く傾向があり、耳鳴りやめまいだけで病院を訪れる人も増えて来るようです。動脈硬化などにより血管の拡張が起こりにくくなり、偏頭痛なども軽減されるからです。
痛みに対しても加齢によって多少鈍感になりますが、その代わりに、以前よりもイライラしたり、怒りっぽくなったりと、融通のきかない人に見られがちで、頭の回転も悪くなる傾向があります。女性の場合はとくに更年期障害との区別が難しく、見過ごしてしまいがちです。
頭痛・耳鳴り・めまい・吐き気に悩んだら!?
脳過敏症候群に至るまで、辛く苦しい時間を過ごして来た人がほとんどだと思いますが、偏頭痛は将来的に脳梗塞を招く可能性のある一要因とされ、痛みを我慢することは決して体にとってもよくありません。脳神経外科などの画像診断でも異常が無いと言われても、脳波検査を是非要求して下さい。脳が興奮しやすい状態かどうかをを判断するには最適な検査方法です。
とくに耳鳴りやめまい、吐き気などもあり、日常生活にも支障を来すほどであれば、尚更です。この病気は比較的新しい病態として治療対象になったという経緯もありますので、詳しい専門医に診てもらうことが、まず重要だと考えます。
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