息切れの原因は肺血栓塞栓症の可能性も!
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目次
そもそも息切れとは?
息切れと一口に言っても、その程度は様々で、私たちは日常的にいろんなケースで体験しています。激しい運動をした時、妊婦さんが肩で息をする時、階段や坂道をのぼるだけで苦しくなったり、何もしていないのに呼吸困難に陥ることもあります。主に気道の障害や肺、心臓などの病気がある場合に起こりやすく、体が必要としている酸素の量が足りていない時に息切れとなって現れます。ですから、特定の疾患によるものはとくに「頻呼吸・呼吸困難」と呼んだ方がしっくり来るのではないでしょうか。酸素不足になった体は苦しくなって「ハァ、ハァ」と声を挙げながら、酸素を取り込もうとするのです。肺血栓塞栓症もまた、頻呼吸や呼吸困難を招き、さらに重篤な症状を引き起こす危険性があります。
息切れの他にも重篤な症状が!
肺血栓塞栓症では、頻呼吸や呼吸困難が典型的症状とされていますが、心臓の病気ではありませんので、脈が速くなるという「頻脈」は見られません。また、息切れの他にも低血圧、チアノーゼ、失神、胸の痛み、喀血、咳などの症状を伴うこともあります。チアノーゼとは、体中の毛細血管や静脈に二酸化炭素が増えた状態になり、皮膚の色が青白くなる症状のことです。また、喀血とは、体内出血したものが、口から吐き出されることを呼んでいます。この病気で最も怖いのは、心臓の右心室の機能不全を招き、その結果、心不全を引き起こしてしまうことです。心臓は、肺でガス交換されることにより、酸素を十分に含んだ血液を体の隅々へ向けて送り出すことができますが、血栓によって血流が滞ると、心臓の機能障害をも引き起こしてしまいます。現にこの病気の死亡原因の多くが、心臓の機能障害によるものとされています。
血栓ができる原因とは?
この病気で血液が固まりやすくなるのは、出血した際などに血液を固めて傷口を塞ぐ「凝固機能」に異常がある場合です。血液中の液体成分である血漿には、プロトロンビンという酵素タンパク質が含まれていますが、これが増加することで血栓ができやすくなり、結果として息切れの原因を作っています。プロトロンビンの急激な増加は「遺伝子の突然変異」が関与していると考えられており、遺伝的要因がこの病気を引き起こすと見られています。突然変異に関しては、身体的ストレスが引き金になることが多く、例えば、肥満、妊娠、外科手術、経口避妊薬の服用、悪性腫瘍に対する化学療法などが挙げられます。また、脳卒中を起こし、集中治療室に入ったり、動きを許されていない患者さんが発症するケースもあります。
最近では、「エコノミークラス症候群」という言葉をよく耳にしますが、これも狭いスペースで不動の体勢を強いられるために起こる「急性」の肺血栓塞栓症のことです。息切れの原因は非常に多く、軽く見られがちですが、心筋虚血や心筋梗塞を招きやすいこともあるため、一度検査を受けておくと安心ですね。
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