大人のりんご病の症状・頬の発赤、頭痛、発熱、関節痛も!
頬が真っ赤になってかゆみが出たり、体や手足にも発疹などの症状が及ぶ「りんご病」は、ウイルスによる感染症の1つで、正式には「伝染性紅斑」といいます。主に幼児期・学童期に発症しやすい病気ですが、大人が罹ると「関節炎」を起こし、強い関節痛に悩まされることもあります。
「パルボウイルスB19」というウイルスの感染が原因で発症しますが、一度感染して体内に抗体が作られると、再び患うことはありません。
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目次
りんご病の症状の経過
りんご病は、頭痛、発熱、全身倦怠感などの症状からはじまり、どれも比較的軽いものです。人によっては全く症状が現れないことも多く、「頬の発赤」が出るまで気づかないことも多いです。
ウイルス感染による潜伏期間は「4日~14日前後」で、最大21日程経ってから頭痛、発熱などが見られる場合もありますが、数日でこれらの症状は治まります。もちろん、この時点で伝染性紅斑と診断されることはありません。
その後、7~10日経過すると発疹が現れ、りんご病の特徴である頬の発赤が目立って来ます。発疹は顔だけでなく体にも出たり、「網状紋理(じょうもんもんり)」と呼ばれる、手足に「網目状の発疹」が現れることもあります。いずれもかゆみを伴うこともありますが、比較的軽いものです。
ウイルス感染から2~3週間経過した後に現れ、1週間程度ですべて消失するのがほとんどです。また、「不顕性感染」といって、パルボウイルスB19に感染していても、発症しない場合もあります。
りんご病で大人が注意すべき点
大人がりんご病に罹ると、発疹が現れると同時期に関節炎を起こすと前述しましたが、この痛みが強く現れる人もいます。節々の痛みが激しく、関節痛で夜も眠れないということもあるようです。その場合は鎮痛剤による対症療法が必要になります。
また、妊婦さんがパルボウイルスB19に感染すると、お腹の胎児に障害が起こる危険性が指摘されています。流産という事態も考えられますし、奇形児として誕生する場合があるため、身近な人が発症している場合はとくに注意が必要です。
おたふく風邪による不妊症も!?
とはいえ、りんご病の感染力が一番強い時期が、発熱、頭痛、倦怠感を示す初期であり、発疹が出る頃には感染力がほぼ失われているため、妊婦さんの予防は非常に難しい問題でもあります。
現在、残念ながらりんご病のワクチン予防接種などは実施されていないため、あらゆる感染症を含め、発熱が見られる子どもとの接触を控える必要もあるでしょう。発熱があるということは基本的に、炎症を起こして細菌やウイルスと闘っている証拠ですので…。
大人のりんご病の治療
りんご病は、頬の発赤という典型的症状があるため、通常、医師はその前に現れる症状などを参考に診断を下します。特定の検査などが行われていないため、頬の発赤などがなければ、「風疹(三日はしか)」や「溶連菌感染症」などとの鑑別が難しく、血液を採取して抗体や抗原などを調べる必要も出て来ます。
また、ウイルス感染症なので、これといった特別な治療法は存在しません。発熱や頭痛があれば解熱剤を処方したり、関節痛には鎮痛剤の処方が一般的です。発疹や関節痛が現れてから1週間もすれば治りますし、とくに安静にしておく必要もありません。飛沫・接触感染を起こすウイルスであるため、経験していない大人の方は手洗い、うがいなどで予防に努めましょう。
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