味覚障害の原因となる病気・亜鉛不足や加齢でも起こる!
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目次
味覚障害が起こる原因
私たち人間は、舌や上顎などに分布している「味蕾(みらい)」で味を感じています。舌以外の口腔、咽頭にも広く分布するもので、その数は1万個以上になるといわれています。味蕾の構造は「花のつぼみ」に似た形をしており、その最も上のわずかな部分だけが上皮細胞から顔を出しています。
例えば、舌に存在する味蕾ならば、「甘味は舌の先端」「塩味・酸味はその手前」「苦味は舌の付け根付近」という具合に、主に分布している領域も異なっています。そして、味蕾で取り込んだ食べ物などの成分は「味細胞」へ入り、最終的に「味覚神経」を経て脳に伝わっています。
この一連のプロセスに何らかの障害が起こると、それが原因で味覚障害を起こすと考えられています。「食べ物の味がしない・よくわからない」という際は、既に症状が出ており、まず原因を特定することが必要となります。
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味覚障害の主な症状
味覚障害の多くは、口腔内全体で感じられるものですが、味覚神経の障害部位により、口腔内の一部にしか症状が出ない場合もあります。男性より女性に多いというデータがありますが、単に料理を作る頻度の差によるものであり、家族に「料理の味付けの変化」を指摘されることで受診する人が増えています。
また、味覚障害になると下記のような様々な症状が現れますので、該当するものが無いか、ぜひチェックしてみてください。
・全く味がしない(無味覚)
・味がわかりにくい
・何も食べていないのに味を感じる(とくに苦味や渋みを感じる)
・いつもと味が変わったような気がする
・甘味や酸味だけなど、特定の味だけしか感じない
・味も匂いも感じない
・何を食べても美味しく感じられない
味覚障害は加齢や亜鉛不足!?
まず中高年以降では、味蕾の数が若い時の半分、もしくは3分の1程度に減ってしまうことがあり、さらに味細胞の働きに必要な新陳代謝もかなり鈍くなることで味覚障害を起こしやすくなっています。
とくに「亜鉛の欠乏」はその新陳代謝を抑制するため、味覚を感じることができない状態に陥ることが多いです。バランスの良い食生活や「亜鉛剤の服用」で改善する可能性も十分にあります。無理なダイエットで亜鉛不足になると味覚障害の原因となりますので、要注意です。
味覚障害の原因疾患は?
口やのどの病気が原因で起こる「唾液の減少」に伴い、「口腔内の異常な乾燥」に繋がるケースがあります。そこへカンジダなどの常在菌が異常繁殖したり、カビの繁殖などが起こると、味を感じられなくなる危険性も高まります。
また、糖尿病をはじめとする全身疾患が影響して、神経や血管に異常が生じていることも考えられることです。とくに耳の病気の手術の後遺症や顔面麻痺などが味覚に悪影響していることも珍しくありません。さらに、主に心の病気によるものと考えられる「原因不明の味覚障害」もあります。
いずれのケースにしても、そのまま放置すれば「味の濃い食事」を欲するようになるため、生活習慣病を招きかねません。塩分や糖分の摂り過ぎは、高血圧や糖尿病の発症に影響します。少なくとも日常生活に支障が出ている場合、病院で検査を受け原因を特定することが治療への第一歩となります。
さらに持病を持つ人は、薬剤の服用で味覚に支障を来す場合もあり、「関節リウマチ」や「高血圧」、「パーキンソン病」の治療薬などによる副作用が出ている可能性もあるため、主治医に薬の減量や中止を含め、相談してみましょう。
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