喉の痛みの原因は?溶連菌感染症の典型的症状です!
「喉の痛み」の原因の1つに「溶連菌感染症」の疑いがあります。「溶連菌」とは、正式には「溶血性連鎖球菌」と呼ばれるもので、様々な病気と関わっている「ごくありふれた細菌」です。名称からすごい悪性度の強いものをイメージさせますが、感染すると「ウイルス性の風邪」のような症状を伴う程度であったり、発症しないケース(不顕性感染)もあります。
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感染症で最もポピュラーなのは、「咽頭炎」や「扁桃腺炎」を起こして喉の痛みや発熱の原因となることです。ただし、これも抗生剤を使用することで、比較的簡単に治すことが可能となっています。一応、ウイルス性の風邪とは分けて考えられますが、非常に似通った症状を引き起こすものといえます。
目次
喉の痛みや発熱以外にも
溶連菌に感染して咽頭炎や扁桃腺炎を起こすと、ほとんど風邪と区別が付きません。強いて挙げるなら激しい咳からはじまることが少なく、喉の痛みや発熱などからはじまります。インフルエンザのように38~40度近い高熱が出ることもほとんどありません。
インフルエンザの症状、頭痛・発熱・吐き気
3歳以下の子どもでは、急に不機嫌になり「食欲不振」「鼻水」「微熱」「嘔吐」「腹痛」などの症状を伴いますので、口の中を覗いて、咽頭や扁桃腺が赤く腫れていないか、チェックしてあげて下さい。
また、溶連菌感染症が原因で、舌に小さなポツポツしたものができたり、体に湿疹ができることもあり、必要以上に心配されるケースもありますが、これら全ての症状は抗生剤の服用によって1~2日程度で治るものです。
ただし、症状が落ち着いたからといって服用をやめると再発しやすいため、自己判断で中止しないように注意して下さい。溶連菌はペニシリン系の抗生剤にとても弱いため、比較的簡単に治すことができますが、くしゃみ、鼻水などによる「飛沫感染」により何度も発症しやすい感染症といえます。潜伏期間は通常2~5日を想定します。
腎炎の原因になることも!
溶連菌は喉の痛みに関する病気だけでなく、ときに「腎炎」や「心臓弁膜症」などの重大な合併症を引き起こす危険性もあります。例えば腎炎では、溶連菌が直接腎臓を侵すのではなく、感染に伴って体内に抗原が作られることで「抗原抗体反応」が起き、腎臓に炎症を起こすという性質のものです。
子どもに多く見られるパターンということもあり、喉の痛みの原因となるだけでは済まないということも認識しておく必要があります。同じように心臓に炎症を起こして血液の逆流を防ぐ「弁」に障害をもたらすと、心臓弁膜症の合併ということになります。
喉の痛みを未然に防ぐ!?
前述したように、溶連菌に感染しても発症しないこともあります。ということは、家族内に感染者がいても気付きにくく、一度は治ったとしても、再び移されるということもよくあることです。同じことを繰り返してしまうようなケースでは、発症していない家族の人にも抗生剤の服用を求められることもあります。
また、小学生以下の子どもの約10%は、喉に溶連菌を持っているとされており、手洗いやうがいを徹底することくらいしか予防法がありません。喉の痛みを訴えて原因を探っているうちに、腎炎などを発症すると非常に厄介であるため、予防接種の実施が待たれるところでもあります。
なお、抗生剤の服用から1日程度で感染力はほとんど失われるため、登校などはすぐに許可が下りるはずです。もちろん大人でも発症する病気でもあるため、家族内で注意を怠ることのないよう心掛けましょう。
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