足の爪の変色・黒い斑点ができたり、赤黒く変化したら要注意!
「足の爪の変色」、とくに黒く変色した場合は「メラノーマ(悪性黒色腫)」という皮膚がんの一種の可能性も否定できないため、注意が必要です。このメラノーマは欧米人によく見られるものですが、発生部位や発生頻度に人種差があり、近年、日本人にも増加傾向にあります。
とくに日本人の場合、足の爪と足の裏に発生することが多いため、足の爪の変色が黒を呈したり、爪全体に広がるようになれば、すぐにでも受診して原因を突き止めることが大切です。
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目次
足の爪の変色・黒い斑点ができたら?
足の爪だけでなく、手の爪にも一箇所だけ「黒い斑点」が突然現れることがあります。これが爪の先端へ移動する場合は、爪の皮下出血が原因と考えられ、爪が伸びるに従って先端の方へ押し出され、自然に消えて行きます。これを「爪甲化出血」と呼び、血豆のような小さな赤黒い斑点(紫黒く見えることも)ができることがほとんどです。
出血量が多い時は、ひどい痛みを伴ったり、爪が剥がれたりすることもありますが、足の爪の変色自体はあまり心配の要らないものです。もし爪が剥がれるようなことがあれば、皮膚科や外科を受診して、適切な治療を受ければ問題ありません。
足の爪の変色・一箇所だけ縦に黒くなっていたら?
足の爪の一箇所だけ、縦に黒い筋状の線が入ることがあります。これは、メラニン色素の増加によるもので、筋のような線が増えたり、大きくならなければ問題ありません。もちろん手の爪にもできることがありますが、経過をしっかり観察しておけば極度に心配する必要はないといえます。
もし足の爪の変色が黒っぽく、次第に大きく広がりを見せるようであれば、メラノーマを疑う必要も出てくるでしょう。
足の爪の変色・危険なケースは?
足の爪にできた縦の黒い筋が大きくなったり、爪全体、もしくは皮膚にも広がってくるケースでは、メラノーマの疑いが強くなります。「悪性黒色腫」とも呼ばれるメラノーマは、人体に見られる最も悪質な腫瘍の1つに数えられるほど、タチの悪い皮膚がんといえます。
この腫瘍は、メラニンを形成する細胞である「メラノサイト」の悪性増殖によって発生するものであるため、発生部位はメラノサイトが存在する「皮膚」「皮膚に近い粘膜」「眼球」「中枢神経」などに限られています。とくに皮膚にできる腫瘍の好発部位としては、顔面が最も多いですが、これも腫瘍の種類によって異なってきます。
手の指の付け根が痛いのは?
「色素性母斑(ほくろ)」に様々な刺激が加わることで悪性に変化して「悪性黒色腫前駆症(前がん状態)」に移行するものが多く、また、自然に発生するものも少なくありません。日本人においては好発部位が足の爪や足底ということもあり、足の爪の変色は注意深く見守る必要があります。
もし爪全体が黒くなったり、黒い部分が盛り上がって来るような事態になると、すでにメラノーマを発症している可能性が高くなります。
検査方法と治療法について
まず足の爪の変色に気がついたら、皮膚科を受診して検査を受けます。診察及び検査結果でメラノーマが疑われる場合は、大きな大学病院などを紹介してもらえるはずです。
爪の黒い部分が爪甲下血腫と判断された場合、軽度であれば放置しても差し支えありません。出血が多く、爪が剥がれてしまった場合は、爪床がむき出しになることもあるため、刺激を受けないような対策がなされます。
一方、足の爪の変色がメラノーマと診断された場合、治療には手術によるがん細胞の切除が必要となります。悪性度が高く、転移しやすいということもあり、大きめに切除されるのが普通です。患者からはメラニン尿の排出があったり、肝転移を伴った場合はメラニン尿が非常に増える傾向にあります。
非常に悪性度が強いとはいえ、早期に治療を開始すれば命の危険は回避することが十分可能であるため、足の爪の変色で黒い部分を見つけたら、専門医を受診しておくことは最も重要となります。
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