体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

首の腫れの原因は橋本病の可能性も!?

首の腫れの原因は橋本病の可能性も!?首の腫れの原因として、橋本病の可能性があります。いわゆる慢性甲状腺炎と呼ばれる病気で、同じ甲状腺の病気であるバセドウ病と同様、自己免疫よって発症するものです。炎症とは、細菌やウイルスなど外部から侵入した異物から身を守るために免疫システムが起こす防御反応ですが、橋本病の炎症は自己免疫によるものであるため発熱や痛みなどを伴いません。

 

また、バセドウ病が甲状腺機能亢進症の代表とすれば、橋本病は甲状腺機能低下症の代表で、症状なども正反対のものが現れやすくなります。

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目次

橋本病とバセドウ病の違いとは?

バセドウ病が甲状腺を刺激してホルモン分泌を過剰にするのに対し、橋本病はTリンパ球が甲状腺細胞を破壊することでホルモンの分泌・合成ができなくなるという病気です。

 

ただし、Tリンパ球によって多少細胞を破壊されても、脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)が機能している間はほとんど症状は現れません。もしあるとすれば首の腫れくらいで、これが橋本病を見つける大きな手がかりとなります。

 

橋本病に見られる首の腫れの特徴

橋本病を発症すると、免疫細胞のTリンパ球の浸潤や攻撃により甲状線細胞が破壊されて線維化したり、慢性の炎症を起こすことで首が腫れてきます。

 

腫れ方はびまん性に広がって行くためバセドウ病と同じですが、橋本病の場合は全体がゴムのような硬さになり、表面がゴツゴツしている特徴があります。結節のようなしこりが出来ている場合もあります。バセドウ病よりも腫れ自体に硬さがあるため、気管を圧迫して喉に詰まり感を覚える患者さんもいます。

 

首の腫れ以外に考えられる症状は?

甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝に関わるものであるため、甲状腺細胞が破壊されてホルモンの合成や分泌が少なくなると体全体から活気がなくなり、年齢よりも老けたような印象さえ感じさせます。

 

汗をかかなくなるためむくみやすく、熱を産生できなくなって寒がりになります。カロリーを消費しにくい体になるため太りやすくなるのも特徴的です。血流も悪くなって貧血を起こしやすくなったり、皮膚が乾燥してカサカサ肌になることもあります。

 
首 腫れ
 
また、バセドウ病の頻脈とは対照的に、徐脈といって脈拍が60以下に低下します。腸の蠕動運動も弱まりますので、基本的に便秘気味となります。血液の循環が著しく悪くなると筋力が低下して「こむら返り」を起こしやすくなったり、首や腕、腰周りの筋肉がつることも多くなります。

 

精神的には気力や意欲が低下して「怠け者」に見られる場合があります。うつ病などと誤診されやすい症状が出るため、要注意となります。

 

橋本病を発症しても首の腫れ程度のみで、とくに何の不自由もなく一生を過ごす人も多いとされます。しかし、まれに悪性リンパ種に発展する可能性があるため、医師との連携を図っておくことは重要であると考えます。

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