体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

朝の寝起きに指の関節が痛いのは関節リウマチの疑いも!

朝の寝起きに指の関節が痛いのは関節リウマチの疑いも!朝の寝起きに指の関節が痛い場合、「関節リウマチ」の疑いがあります。この病気は自己免疫を原因とする膠原病の1つで、悪化すれば全身の関節に症状が及びます。初期には指の第二関節や第三関節に腫れやこわばりなどが現れ、「朝の寝起きに指の関節が痛い」「指に力を入れないと曲げられない」という訴えが多くなります。

 

ただし、関節に現れるこわばりや痛みなどは、膠原病に属する多くの病気に共通する症状ですので、医師による鑑別が必要です。例えば、「全身性エリテマトーデス」「強皮症」「スティル病」「多発性筋炎」「シェーグレン症候群」などでも慢性的な関節痛が現れます。

 

そもそも膠原病とは自己免疫が原因で発症する、似たような症状を伴う病気のグループの総称のことで、体内に侵入する細菌などの異物(非自己)を攻撃・排除するための免疫システムに異常を来し、自分の細胞や組織を誤って攻撃するという非常に厄介な病気であることは間違いありません。

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目次

関節リウマチのメカニズム

関節リウマチは異常な自己免疫反応によって起こる炎症が、主に関節をおかすという病気です。最初は、関節の骨と骨の間にある軟骨をおおっている薄い膜(滑膜)に炎症が起こります。滑膜が分泌する関節液は、軟骨がこすれ合う際の潤滑油となったり、軟骨に栄養を補給するもので、これが漏れないように滑膜はクッション的な役割を果たしています。

 

しかし、関節リウマチでは、自己反応性のリンパ球が滑膜のタンパク質を抗原と誤認して抗体を作り、免疫細胞の攻撃のターゲットにされてしまいます。その結果、攻撃された滑膜は傷つき、炎症を起こして数倍に膨れ上がり、関節リウマチ特有の腫れが現れます。

 

さらに炎症性サイトカインという痛みを発生させる有害物質が作られることで、今度は神経を刺激して強い痛みが出たり、それが筋肉や靭帯などにも広がりを見せます。最終的には血流に乗って全身に障害を引き起こします。

 

関節リウマチの症状

朝の寝起きに指の関節が痛んだり、こわばりや腫れが見られますが、初期症状としては痛みよりこわばり、腫れが目立つ傾向があります。目安として朝の寝起きに15分以上のこわばりが1週間以上続きます。

 

手指の第二、第三関節、手首、足首、足指の付け根の関節などにも腫れが1週間以上続いたら関節リウマチの疑いが強くなります。基本的に関節の炎症は左右対称で両方の手指などに見られますが、もちろん例外もあります。

 

また、指の関節や付け根は腫れますが、指先には症状が出ないため「紡錘状の腫れ」という表現がよく使われます。患部に触れてみるとゴムのような弾力性があり、熱を持って赤みを帯びているのも特徴です。関節リウマチといえば、痛みのイメージが強いですが、初期の痛みは比較的軽いものです。

 

関節リウマチの進行

発病後、1~2年で骨が傷つけられ、2~3年以内には骨の破壊が進みます。5年以上経てば、関節が徐々に変形していきます。痛みは押した時の圧痛や、じっとしている時にも出る自発痛などがありますが、さらに症状が進行すると周囲の神経を圧迫したり、筋肉や組織の血流が悪くなって痛みが激しくなることが予想されます。

 

また、骨自体が弱くなって痛む場合もあります。足の親指以外の4本の指先が曲がって浮いたような状態になったり、外反母趾や指が重なり合う重複指なども見られるようになります。関節リウマチは関節に限ったことではなく、全身に炎症が及びます。

 

そのため、疲労感、倦怠感、発熱、体重の減少、貧血、骨粗鬆症なども伴います。ただし、目や心臓、肺など様々な臓器に障害をもたらす場合、「悪性関節リウマチ」と呼んで区別され、治療が難しい状況になります。

 

一昔前は、関節リウマチといえば歩行困難になったり、寝たきりになったりする可能性のある病気として恐れられていましたが、現在治療法が飛躍的に進歩しています。とにかく早期に治療を開始して、医師とともにこの病気を上手にコントロールする必要があるでしょう。

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