体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

尿の色が濃い・褐色の尿が出るのは肝機能の低下が原因!?

尿の色 濃い

尿の色が濃い・褐色の尿が出るのは肝機能の低下が原因!?ある日突然、トイレに行った際に「尿の色が濃い」と感じたことはありませんか。黄色味が強く褐色の尿が出るようになると内蔵異常のシグナルの可能性があります。私たちの尿は、通常薄く黄色味を帯びていて透明なものですが、肝機能や腎機能が低下すると尿の色に変化が現れます。

 

とくに中高年のアルコール過剰摂取者のほとんどが、肝機能が低下して尿の色が濃くなったり、血液検査での「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「γ-GTP」などの数値が異常を示すようになります。「だるい」「疲れやすい」などの症状がある方は、一度詳しい検査を受けておくことも大切です。

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目次

尿の色が濃いのは一過性の場合も多い!

突然尿の色が濃くなったのを見て、驚くこともありますが、心配のいらない一過性のものという場合も多いです。例えば、普段ほとんど運動をしない人が急にジョギングなどを始めたり、スポーツをやっている人でも、いつも以上に激しいトレーニングなどをすると、色の濃い尿が出ることがあります。

 

疲労がたまっていたり、風邪をひいたりすると同じようなケースも考えられますが、水分補給を十分に行うことにより正常な尿に戻りますので、心配する必要はありません。他にも、病気の治療で服用している薬の影響や、栄養ドリンク剤などの多用でも濃くなることもあるため、必ずしも体内で何らかの異常が起こっているというわけではありません。

 
尿の色 濃い 疲労
 

尿の色が濃いのは肝機能障害の疑いも!?

「尿の色は肝機能をはかるバロメーター」といわれています。定期的に健康診断を受けて、血液検査の各種の数値が正常の範囲であれば安心できますが、知らず知らずに肝障害が進んでいるということも珍しくないため、十分な注意が必要です。

 

肝臓は主に「栄養の代謝」「有害物質の解毒」「胆汁の分泌」などの働きをしていますが、他にも500種類ほどの働きを持つ「人体の化学工場」と呼ばれています。そして、強い再生能力と余裕を持って働いているという特徴があるため、多少肝細胞が破壊されても他の細胞が機能を補ったり、新たに細胞が再生されるため、多少のことでは自覚症状が現れない「沈黙の臓器」です。

 
肝機能
 
さらに肝機能の低下による「だるさ」「疲れやすさ」も風邪の症状と酷似しているため、病気の進行が見過ごされやすいのです。とくに「ウイルス性肝炎(急性・慢性)」「アルコール性脂肪肝」「アルコール性脂肪肝炎」「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」では、肝機能が低下して尿の色が濃くなるケースが考えられるため、毎日トイレ後のチェックを怠らないように注意しましょう。

 

尿の色が濃いのはウロビリノーゲンが増えたせい?

尿の中には「ウロビリノーゲン」という褐色の物質が少量含まれており、これは胆汁色素のビリルビンが腸に排出され、腸内細菌によって分解されたものです。その多くは便と一緒に体外に排泄されますが、一部は腸管から再吸収され、再び肝臓でビリルビンとなり胆汁中に排出され、一部は腎臓を経て尿と一緒に排泄されます。

 

ちなみにビリルビンは私たちの便の色を黄色に染めたり、肝臓病によって眼球結膜(白目の部分)や皮膚の色を黄色に染める「黄疸」の原因となる物質です。肝機能障害が起こると尿中のウロビリノーゲンの量が増え、尿の色が濃くなる現象が現れます。

 
尿の色
 
とくに寝ている間には水分を摂らないこともあり、朝起き抜けの尿がウーロン茶のような濃い褐色に変化します。日中は水分摂取量が多いこともあり気付きにくいですが、朝一番の尿に異常が見られたら、肝機能が低下している可能性があります。

 

最悪の場合、肝硬変や肝がんも!

肝硬変といえば、B型、C型ウイルス性肝炎から移行するイメージが強いですが、大量にアルコールを摂取する人や、深夜に多食をする肥満の人も要注意です。お酒を飲み過ぎると、肝臓で脂肪が分解されずにそのまま脂肪がたまって「アルコール性脂肪肝」になります。

 
尿の色が濃い アルコール
肝硬変の症状と合併症
 
この状況が続くと、肝細胞の破壊と再生が繰り返されている内に、肝細胞の線維化が進んで「肝線維症」や肝硬変へ移行しやすくなります。もちろん肝硬変は「不可逆性の疾患」であるため、線維化して硬く縮んだ肝臓が元に戻ることはないと考えられています。肝不全を起こしたり、肝がんが合併することも珍しくないため、命の危険にさらされることになります。

 

尿の色が濃い時は検査を!

尿の色が濃い状態が続く時、もしくは黄疸に似た現象が現れたら、早急に肝機能の検査を受けることが大切です。血液中の酵素の量を調べる「血清酵素検査」、たんぱく質の量を調べる「血清たんぱく質検査」、尿検査などで異常の有無を調べます。

 

ウイルスマーカー検査で、肝炎ウイルスの有無を調べることもあります。もし異常が確認された際は、MRIなどの画像検査も必要になってきます。アルコール性脂肪肝は、禁酒をすることで回復が可能となっていますので、最悪の事態を避けるためにも行動に移すよう努力して下さい。

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