やたら喉が渇く病気・崩尿症と心理的多飲症とは?
やたら喉が渇く病気に「崩尿症」というものがあります。とにかく異常なほど多尿になるため、自分の意思では制御不能になるくらい水分を欲する病気です。
他に喉が渇く病気といえば、やはり「糖尿病」や「心因的多飲症」などが考えられますが、それぞれ全く原因が異なっているため、医師による鑑別や検査などが必要となります。とくに尿崩症の場合は頭部に異常があって起こるため、早期に診察を受ける必要があるでしょう。
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目次
やたら喉が渇く尿崩症とはどんな病気?
腎臓における尿の濃縮は、脳の下垂体後葉から分泌される「体内の水分代謝に関するホルモン(抗利尿ホルモン・ADH)」によってコントロールされています。このホルモン分泌が盛んになれば尿は濃度を増し、その量も少なく抑えられます。
逆に分泌量が減ってしまうと尿は薄くなり、その量は増えることになります。したがって体内の水分調節をつかさどる脳下垂体やその周辺に何らかの障害が起こると、その分泌量が激減してしまうため尿の量が極端に増えてしまいます(下垂体性尿崩症)。
下垂体に起こる障害としては、腫瘍や外傷によるものが考えられます。尿の量は最大で10リットル程度にも及ぶといわれていますので、飲んでも飲んでもやたら喉が渇くという状態に陥ります。
また、抗利尿ホルモンの分泌が正常であっても、腎臓がこれに反応しなくなるケースがあります。こちらは「腎性尿崩症」と呼ばれ、男性だけに現れる遺伝的な病気といわれています。
いずれも尿の濃縮が難しくなりますので、薄い色の尿が大量に排泄されます。幼児ではしばしば夜尿をするようになり、乳児では母乳だけでは水分が不足して発熱を起こしたりしますので要注意です。
心因的多飲症で喉が渇く!
心因性多尿症とは、心理的な緊張や不安などの問題をしずめようとして水分を多量に摂取し、同時に尿の量も増えるという病気です。私たちはイライラや怒り、不安、緊張、欲求不満などが募るとき、飲食をすることで気分が落ち着くことはよくあります。しかし、これがエスカレートして水分摂取量が極端に増えてしまうと病気と判断されます。
基本的に大人が1日に摂取する水分量は1.5リットル程度とされ、尿の量も同じくらいです。これよりも明らかに多い水分を摂取する場合、多飲症であると診断され、尿の量が2.5リットルを超えれば多尿ということになります。尿が増えたのが先か?それとも多飲が先かで診断は別物になってきますが、病状が進行するとその判断は難しくなります。
心理的多飲症は性格的に「負けず嫌いでプライドが高い人」が発症する例が多いといわれています。言い方を変えると、「ちょっとした失敗をいつまでも引きずるタイプ」といえます。
わずかな失敗でも他人や自分へのイラ立ちが募り、気持ちの切り替えが上手く行かない人は要注意です。心因的多飲症の場合は放っておいても治りますが、異常に喉が渇くという場合は、精神安定剤で症状が緩和されることもあります。
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