胸の痛みが左から真ん中にかけて現れたら!?
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胸の痛みを放置すれば!?
心筋が一時的に酸欠状態を起こすと、心臓の収縮などが不可能になって拍動のトラブルを引き起こします。したがって発作性の症状とともに不整脈に陥ります。あくまでも単なる一過性の発作ですので、決して心筋が壊死したりすることはなく、薬を飲んで安静にしていればすぐに治まります。しかし、そのまま何の治療も施さずにいると冠動脈の動脈硬化が進み、LDLコレステロールなどを血中のマクロファージが取り込んだ「粥腫(アテローム)」が血管壁に沈着します。この粥腫が破れて血の塊(血栓)を作ると、冠動脈が完全に詰まってしまい、心筋への血流が遮断されます。これを「心筋梗塞」と呼び、狭心症はその前段階として捉えられています。心筋梗塞になると、胸の痛みは耐え難い激痛となり、30分から数時間も発作が治まることはありません。血流もストップしているため、心筋はどんどん壊死して、最終的に死に至ることも珍しくありません。
決して胸の痛みだけとは限らない!
狭心症の代表的な症状は、左から真ん中にかけての胸の痛みです。急激に激しい痛みが襲ってくるのではなく、だんだん強くなるという特徴があります。また、「放散痛」が現れることも少なくありません。心窩部(みぞおち)や背中、左肩から左腕を介して手先にも症状が及ぶこともあります。首やあご、歯にまで放散痛が到達する場合もあります。しかも、放散痛のみが現れて胸の痛みが起こらないパターンがあることで、すぐに心臓のトラブルと気づかないケースも出て来ます。
狭心症は大別すると4タイプ存在する
まず「安定・労作性」と呼ばれるもので、軽い運動などをした際に心筋が一時的に酸素不足を起こします。動脈硬化による粥腫の皮膜は厚くて破れにくいため、通常より動きが活発になった時に限り、決まって発作が起こるタイプです。次は「冠攣縮性」と呼ばれるタイプで、冠動脈が突然けいれんを起こすことで、安静時にも発作が起こる特徴があります。「不安定狭心症」は、粥腫の皮膜が破れやすくなっているため、血栓ができやすく、心筋梗塞に一番近いといえます。最後は「心筋梗塞」そのもので、「急性」「亜急性」「陳旧性」などに分類されます。一般的に発症から72時間以内であれば急性、1ヶ月以内であれば亜急性、その2つよりずっと前に発症していたとされるものを陳旧性と呼んでいます。左から真ん中にかけての胸の痛みは、いずれ命の危険にさらされる可能性がありますので、循環器内科などで詳しい検査を受けて下さい。
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