女性の下腹部痛は良性の卵巣腫瘍ができていることも!?
Sponsored Link
例えば、卵巣の表層上皮細胞やそれを支える役割を持つ間質細胞から発生するものを「表層上皮性・間質性腫瘍」と呼び、全体の約50%を占めていますが、性質の違いにより「良性」「境界悪性」「悪性」の3つのタイプが存在します。次に多いのは胚細胞から発生する「胚細胞腫瘍」が約40%、卵胞周囲の顆粒膜細胞や莢膜細胞から発生する「性索間質性腫瘍」も約8%程度ありますが、いずれも悪性度には3つのタイプが存在します。もちろん悪性はいわゆる「卵巣がん」ですから、放置することはできないということになります。また、類腫瘍には卵巣が水分を含んでむくんだ状態になる「卵巣浮腫」や子宮内膜症の1つである「チョコレート嚢胞」などの嚢胞が挙げられます。
目次
良性でも女性の下腹部痛がひどくなることも!?
良性の卵巣腫瘍でも、ある程度の大きさになると下腹部痛を感じるようになります。また、しこりや腹部膨満とともに中年太りに見られるようなお腹周りが大きくなったような感じを受けることがあります。中には30キロを超える腫瘍もありますが、本人がその存在にまったく気づかないということも珍しくないようです。腹水がたまった場合も、同様にお腹に張りを感じます。
卵巣破裂や茎捻転の下腹部痛は怖い!
もし腫瘍の破裂や茎捻転などによって「急性腹痛」を起こした場合は、激しい下腹部痛が予想されますので、救急車を呼んですぐに処置しなければなりません。その他の症状では、不正性器出血が目立ちます。とくにエステロゲン(卵胞ホルモン)を分泌するホルモン産生腫瘍などでは出血が多くなるといわれています。感染症に繋がることもあり、下腹部痛に加え高熱が出ることもあります。男性ホルモン産生腫瘍があると、毛深くなったり、声が低くなるなどの男性化兆候も見られ、無月経になるケースもあるようです。
女性特有の下腹部痛は、子宮筋腫や子宮内膜症なども考えられますが、サイレントキラーと呼ばれる卵巣の病気はとくに注意した方が良いです。まったく無症状のまま、がんの告知を受けることもありますので、違和感程度でも継続的に感じている場合は早めに婦人科の医師に相談してみましょう。また、治療方針に関しても、年齢やその後の妊娠を希望するかなどで変わってくると思いますので、しっかりとカウンセリングを受けることは大切ですね。
★良性腫瘍の主な種類
●表層上皮性・間質性
・漿液性腺腫
・粘液性腺腫
・類内膜腺腫
・明細胞腺腫
・ブレンナー腫瘍
●性索間質性
・胸膜細胞腫
・線維腫
・セルトリ・間質性腫瘍
・ライディッヒ細胞腫
●胚細胞
・成熟嚢胞性奇形腫
・卵巣甲状腺腫
Sponsored Link