体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

女性の下腹部の痛み・鈍痛やチクチクした症状があれば!?

女性の下腹部の痛み・鈍痛やチクチクした症状があれば!?女性の下腹部の痛みで、鈍痛やチクチクするといった症状があれば「子宮内膜症」を疑う必要もあります。この病気は、子宮内膜と酷似した組織が子宮腔以外の場所に発生するもので、一般的に激しい月経痛や不妊が主な症状とされています。しかし、子宮内膜症ができた場所によっては自覚症状に乏しい場合もあったり、痛みの程度も個人差がかなりあるようです。下腹部の痛みが鈍痛であったり、チクチクするという場合、子宮筋腫もしくは卵巣腫瘍なども考えられますが、月経時にとくに痛みがひどくなる人は産婦人科などで詳しく検査をした方が良いかもしれません。

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目次

鈍痛やチクチクといった下腹部の痛みだけではない!

また、この病気の特徴として、子宮以外にできた組織にも月経と同様に「増殖と剥離」が繰り返されるため、剥がれ落ちた組織とともに血液が体外に排出されず、それが原因で炎症が起こったり、臓器の癒着が多く見られます。月経を繰り返す度に悪化するのも特徴の1つであるため、女性は閉経するまで付き合って行かなければならないことになります。子宮内膜症は、もちろん下腹部の痛みだけにとどまるとも限りません。主に発生するのは、腹膜、卵巣、ダグラス窩の3ヶ所ですが、上腹部膜をはじめ、胃、肺、肝臓、腎臓、膵臓、脳、胸膜、乳房など様々な場所に発症する可能性があるものです。それぞれの臓器に起こる異常が月経周期と一致していないか、しっかりチェックする必要もあるのです。

子宮筋腫も下腹部の痛みが!
 

発症しやすい部分の特徴

前述した通り、この病気ができやすいのは、主に腹膜、卵巣、ダグラス窩です。「腹膜病変」「卵巣チョコレートのう胞」「ダグラス窩深部病変」などと呼ばれ、自覚症状などにもそれぞれ違った特徴があります。

 

・腹膜病変

腹膜や臓器の表面にできる病変で、自覚症状がほとんどありませんので、病気に気づくことすら少ないといわれています。不妊の原因がわからない女性が腹腔鏡検査を行って初めて、発見される例も少なくありません。そのまま放置すると、自然に治ったり、他の部位に新たな病変ができることを繰り返すことがありますが、副作用が比較的軽いホルモン療法などで改善を図る場合があります。下腹部の痛みが激しく出なかったり、鈍痛やチクチクするような感じがなければ、あえて検査を受ける必要もありませんが、不妊を克服したい場合は医師に相談するのがベストといえます。

 

・卵巣チョコレートのう胞

卵巣にできる子宮内膜症で、卵巣内で増殖と剥離を繰り返すことで血液が溜まり、のう胞ができてチョコレートのようにドロドロとした血液が溜まる病気です。こののう胞自体はほとんど痛みもありませんが、骨盤壁に癒着することによって下腹部の痛みが鈍痛程度から激痛を伴う場合もあります。卵巣が5cm以上に膨れてしまうと、破裂して激しい苦痛を強いられることもあるため、取り除く手術なども行われています。とくに卵胞の発育が悪くなったり、排卵自体も難しくなるため、不妊の原因とされています。まれにがん化するという報告もあるため、注意が必要です。

 

・ダグラス窩深部病変

子宮と直腸の間の隙間(ポケット)であるダグラス窩にできた場合、最も痛みが強いといわれ、鈍痛程度の場合は少ないようです。ここは、逆流した月経血が入り込みやすいのが難点です。とくに直腸との癒着が見られると、子宮が直腸の方へ引っ張られて、チクチクとしたり、引っ張られるような下腹部の痛みを引き起こすことも多くなります。排便痛を恐れるあまり便秘になったりすることも珍しくありません。癒着を改善するには手術が必要になりますが、その前に肛門から指を入れる直腸診で病変の有無を調べるのが一番の手がかりとなります。

 

いずれにしても、この病気は鈍痛程度でもかなり進行していることも多いため、痛みが軽いからといって安心することはできません。子宮は「女性の象徴」として表現されることもありますが、「胎児を育てるための単なる袋」という見方もできます。むしろ卵巣の方がホルモン分泌や子孫繁栄のためにも女性の体にとって重要とされていますので、併せて卵巣の病気も警戒して下さいね。

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