血が止まりにくい原因となる病気・白血病の可能性も!?
血が止まりにくい原因として「白血病」という病気の疑いがあります。これは、主に免疫機能を司る「白血球」の元となる細胞に、遺伝子の異常が起こり、造血の場である「骨髄」が未熟な白血病細胞(がん細胞)に占領される病気です。そのため、「血液のがん」と呼ばれています。
これにより、正常な血液細胞を作り出すことができなくなり、血液中の白血球の数が著しく増えます。その結果として、貧血症状が出たり、出血しやすく、血が止まりにくい状態に陥ってしまいます。
白血球は、顆粒球と呼ばれる「好中球」「好酸球」「好塩基球」の他、「単球」「リンパ球」の5種類に分類されますが、全体としての機能は、細菌やウイルスなどから身を守る生体防御(免疫)にあるため、白血病になると感染症が起こる危険性も高くなります。
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目次
血が止まりにくくなる原因とは?
白血病は、大きく分けると、細胞の由来によって「骨髄性」「リンパ性」に分類されますが、それぞれに「急性」と「慢性」が存在します。「急性骨髄性白血病」を例に出すと、白血病細胞の増殖によって正常な造血が抑制され、顆粒球、赤血球、血小板などの減少が見られます。
とくに血液凝固因子である血小板が少なくなると、出血傾向になり、血が止まりにくい状態になります。皮膚に点状の出血や紫斑が出やすく、歯茎から血が出たり、鼻血が止まりにくくなったりします。
女性の場合、月経量が増え、期間が長引くこともあります。赤血球も減っているため、貧血に関係が深いとされる全身倦怠感や動悸、息切れなども目立つようになります。
血液の成分を再認識!
人間の血液の量は、体重の約12分の1~13分の1といわれています。成分を見ると、約55%が「血漿」と呼ばれる液体成分で、残りの45%が「血球」と呼ばれる細胞成分となります。液体成分の血漿にも血液凝固因子が含まれ、出血した際に、血球と一緒になって「血餅」という凝血塊を作ります。残りは「血清」と呼ばれる成分です。
血球では、赤血球が主に酸素の運搬を行い、白血球が外部からの異物を殺し、感染症を防ぐ働きをしています。血小板は血液の中で最も小さい細胞成分で、役割としては、出血した際に血管の収縮によって集まり、血栓を作り、傷口を塞いで止血させます。
もう1つ重要な働きがあり、体中に張り巡らされた血管から血液が染み出したり、漏れ出さないように出血の防止を担っています。糖尿病などの他の病気が原因である場合にしても、確実に血液成分のバランスが乱れ、血漿や血小板の作用も少なくなっていますので、血が止まりにくい原因となっています。
慢性白血病では!?
慢性骨髄性白血病などの場合、急性の貧血、発熱、出血、血が止まりにくいなどの症状がありません。とくに「慢性期」と呼ばれる段階では、ほとんどの人が無症状だとされています。病気の発覚は、脾臓が腫大する時期になって気付くことが多く、左上腹部の不快感や圧迫感、疼痛などによって脾腫を発見し、慢性白血病と診断されることがしばしばです。
また、首や脇の下、鼠径部などのリンパ節が腫れて来るという特徴もあります。最終的な「急性転化期」になると、ほぼ急性白血病と同じ状態になりますので、貧血が起きたり、血小板が減少して血が止まりにくい状態となります。
白血病という病気全体を考えると、遺伝子の突然変異や染色体の欠損や入れ替わりなど、非常に理解しにくいものですが、大気汚染や紫外線、化学薬品、放射線による被爆、ウイルスなどが原因となるため、注意すべきことも多いですね。
首や脇の下の腫れは悪性リンパ腫の可能性も!
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