視野が欠ける原因は緑内障の可能性が高い!
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目次
眼圧が上がると視界が欠けるのはなぜ?
成人の場合、眼球は直径約24mm程の球体ですが、このうちの80%程は硝子体(しょうしたい)と呼ばれるゼリー状の物質でできています。目を正面から見たとき、透明の角膜(黒目の部分)、虹彩(茶色の部分)、瞳孔(中央の黒い部分)、強膜(白目の部分)などが見えますが、瞳孔の奥に水晶体(レンズ)があり、さらにその奥のほとんどが硝子体の部分です。この硝子体を含む眼球の大部分が三層の膜(網膜・脈絡膜・強膜)で保護されており、一番内側の「網膜」には、視細胞である神経繊維が張り巡らされています。
網膜の視細胞で光をキャッチし、視神経を伝って脳にその情報(刺激)が届くことで、「物が見える」という状態になる仕組みです。しかし、眼圧が高まり、硝子体の圧力が外側に向かうと、神経線維の一部が圧迫されて傷ついて死んでしまうことがあります。これにより、一部の情報が脳に届かないという状態になるため、視界が欠けるといった異常が出て来ます。もともと網膜内にある神経線維は、「視神経乳頭」という部分で折れ曲がって束になり、視神経につながっていますので、その曲り目の部分が比較的弱く、傷付きやすいとされています。
眼圧が上がる原因とは?
眼圧は、水晶体の厚みを変える毛様体(筋肉)から分泌される「房水」によって一定の圧力に保たれています。目の茶色い部分である虹彩は伸びたり縮んだりして、瞳孔の大きさを変えていますが、虹彩の内側には隙間があり、そこにも房水がたまっています。次第に角膜の方へ流れ出て、角膜と虹彩の間の「隅角」と呼ばれる部分の奥にある「繊維柱帯(ろ過する組織)」を通り、最終的には「シュレム管」という小さな穴に老廃物として排出されます。虹彩によって隅角自体が塞がれてしまい排出ができなくなるものを「原発閉塞隅角緑内障」と呼び、その奥の繊維柱帯が詰まりを起こしてしまうものを「原発開放隅角緑内障」と呼んでいます。その他、ケガや病気などが原因で発症した場合を「続発緑内障」、乳児期に隅角の未発達によるものを「発達緑内障」と呼び、視界が欠ける原因とされています。
いずれにしても、房水が上手く排出できないと角膜の内側にたまってしまうため、眼圧は上がる一方です。また、隅角が完全に塞がれた場合は「急性緑内障発作」が出て、目の症状以外にも頭痛や吐き気などが急激に襲って来ることもあります。最初に視界が欠けるのは、鼻に近い側の上部とされ、次第にどんどん広がって来て、最終的には失明に至ります。
視界が欠けたら検査を!
日本人の場合、眼圧が基準値の範囲内でも視神経が障害され、視界が欠けると訴えるタイプも多く、完全に原因が解明されている訳ではありません。目は一生大事にする必要があるため、異常を感じたらすぐに眼科で診てもらいましょう。早い段階であれば、薬物療法やレーザー手術、外科手術で進行を食い止めることが可能です。
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