動悸・息切れの原因は鉄欠乏性貧血による代償作用!?
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目次
貧血によって動悸・息切れが起こるのはなぜ?
貧血は医学的には、「血液中のヘモグロビン濃度が基準値以下に低下している状態」をいいます。「男性であれば、13mg/dl未満」「女性なら12mg/dl未満」「小児および妊婦の場合では、11mg/dl未満」が該当するといわれています。鉄不足によりヘモグロビン濃度が低下すると、体内の組織全体への酸素供給量も減ってしまうため、全身の至るところから悲鳴が挙がります。顔色が青白くなることをはじめ、全身の皮膚や粘膜まで白くなって行きます。動悸、息切れ、心臓の雑音、速い脈、むくみなどの呼吸器や循環器の症状も現れやすくなります。酸素の供給量を上げようと心臓や肺が代償作用を起こします。また、頭痛、めまい、立ちくらみ、耳鳴り、全身倦怠感の他、失神などの精神症状も現れることがあります。鉄分が不足するだけで、これだけの代償を払うことになりそうです。
鉄欠乏性貧血による特異的症状
組織鉄の減少によって、口内炎や嚥下障害(咀嚼や飲み込みが困難)といった症状も見られます。また、味覚が変化する「異食症」を起こしたり、爪がスプーン状に薄く変形するといった異状も起こります。
女性は動悸・息切れが起こりやすい!?
成人の場合、体内には約3~4gの鉄分があり、赤血球内のヘモグロビン鉄が約70%を占め、約25%は肝臓や脾臓などで貯蔵鉄として蓄えられています。また、1日に失われる量は1~2mgと微々たるものですので、普通の食生活をしている限り、鉄欠乏性貧血を起こすことはありません。しかし、女性の場合は月経による出血や、子宮筋腫、子宮内膜症などによる不正性器出血で鉄分をかなり失ってしまうことも多くなります。また、妊娠中にも鉄分の需要が増えたり、出産後にも授乳期に入ってますます需要が高まることがあります。赤ちゃんを育てていく上で大切な体ですので、できる限り動悸や息切れなどの症状を防ぐ必要があります。
その他、胃腸の調子が悪いという人は、消化管出血を起こしている可能性もあるため、貧血に見られるような症状があれば、一度詳しい検査を受けるべきです。経口鉄剤の服用による治療法もありますが、別の疾患による微量の出血があるケースでは、その治療を最優先に考えなければ、根本的な治療にはなりません。もし動悸や息切れが続く場合は、心臓や肺に負担が欠かっている証拠ですので、決して軽く考えないようにして下さい。
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