閉経後の不正出血は子宮体がんを疑う必要があります!
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閉経前・閉経後の不正出血は危険!
以前は、子宮体がんの割合は子宮がん全体の約3割程度で、その大半を50歳以上の閉経後の女性が占めていました。しかし、現在は40歳代を中心とした閉経前の女性にも増えており、子宮頸がんの発症率との差もほとんどないと言われています。女性ホルモンにはエステロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、そのホルモンバランスの崩れが子宮体がん発症の大きな要因とされていますが、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後ももちろん安心することはできないのです。
エステロゲンの過度の作用ががん発症を招く!
とくに妊娠・出産を経験していない方は、プロゲステロンが多量に分泌される時期を経験されていませんので、閉経までのエステロゲンの分泌量が相対的に多く、閉経後になって不正出血に異常を感じ、がん発症に気づくケースが多いと言われています。それに加え、更年期障害を緩和させるホルモン補充療法でエステロゲンのみを単独で長期間投与すると、その影響を受けて、不正出血を誘発するケースもあるようです。一般的に茶褐色のおりものや悪臭を伴ったものの場合、要注意とされています。
閉経後もエステロゲンは作られる!
閉経を迎えると、エステロゲンが一切作られないと思っている人も多いかもしれませんが、卵巣だけでなく、体の脂肪組織でもエステロゲンは合成されています。副腎皮質から分泌される男性ホルモンを材料に、脂肪細胞内のアロマターゼという酵素の働きにより、生成され続けているのです。ですから、50歳代後半に子宮体がんを発症しても不思議ではありません。したがって、肥満につながるような食生活を続けている人は、それだけでリスクが高まることになります。高脂肪・高エネルギーの食事はほどほどにしておいて下さい。
不正出血と破綻出血
女性も閉経が近づいて来ると、エステロゲンが主に卵巣から分泌されるだけで、排卵後に分泌されるはずのプロゲステロンが分泌されません。つまり2つのホルモンの作用を中和してバランスをとることは難しい状態になります。その結果、分厚くなりすぎた子宮内膜が自壊しながら剥がれ落ち、月経のような破綻出血を起こします。そして、ほとんど痛みがないまま、ダラダラと2週間以上も断続的に続くことがあります。ただし、通常の月経とは異なり、剥離と再性が行われず、そのまま再度増殖を始めてしまいます。これが長期間続くことによってがん細胞が発生すると言われています。子宮がんは早期発見さえできれば、子宮を温存することすらできるとされていますので、不正出血を放置しないよう心掛けて下さいね。
また、子宮体がんは卵巣に転移しやすいため、下腹部の辺りに張りが出てきたり、腹膜にこぼれ落ちて「腹膜播種」につながる場合もあります。これにより、がん性腹膜炎を起こすと正直厳しい状況に追い詰められることになるため、子宮の周囲への転移が始まる前に治療を開始する必要が有ることを認識しておきましょう。とくに、骨盤、膀胱、尿管、直腸への侵入や、リンパ節・骨転移なども怖いので、不正出血を甘く見てはいけませんね。
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