耳鳴り・難聴の原因は滲出性中耳炎の疑いが!?
耳鳴りや難聴を起こす原因の1つに「滲出性中耳炎」という耳の病気があります。これは、耳の内部の「中耳」の粘膜から常に分泌される「滲出液」が、逃げ場を失ってたまってしまうことで、様々な障害が現れるものです。
外耳と内耳の隔たりには「鼓膜」があるため、滲出液が耳の外へ流れ出ることはありませんが、のどや鼻の奥と中耳をつなぐ「耳管」の存在により、通常、滲出液はその中を通り、のどの方へ排出される仕組みになっています。
ただし、その耳管が何らかの理由で狭くなってしまうと、中耳腔内の滲出液の排泄が難しくなり、鼓膜が奥に引っ張られる形になったり、振動によって音を伝える働きが鈍くなったりすることで、耳鳴りや難聴、耳閉塞感などの症状が現れるようになります。また、自分の声が耳の奥の方で反響しているように聴こえ、不快感を訴えることも多くなります。
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目次
耳鳴りや難聴を放置すると?
この病気では、炎症自体は比較的軽いため、ほぼ痛みはありませんが、耳鳴りや難聴があるにもかかわらず放置してしまうと、「慢性化膿性中耳炎」を発症するリスクが高くなります。
これは「慢性穿孔性中耳炎」とも呼ばれ、鼓膜に孔が開いてしまったり、小耳管に炎症が起きたりすることで、耳鳴りや難聴の他に「耳だれ」が目立つようになります。また、「真珠腫性中耳炎」を起こすと、鼓膜表面の皮膚が極度に増殖するため、時には中耳のみならず、内耳にまで影響をもたらす場合もあるのです。
もともと子どもに多い!
子どもの場合、耳管が太くて短いという特徴があるため、風邪をひいた際にのどや鼻の炎症が耳管を通って中耳に影響を及ぼすことが多くなります。また、大人でも慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)やアレルギーなどを持つ人も滲出性中耳炎を起こしやすくなっています。
高齢者の場合、老人性難聴と勘違いすることも多いので、「歳のせい」だと決めつけず、耳鼻咽喉科を受診して原因を究明しておく必要があるかと思います。一般的に老人性難聴を発症すると聴力が元に戻ることはなく、治療が可能な滲出性中耳炎とはこの点で異なっています。
難聴・耳鳴りの原因は外リンパ楼!?
耳鳴りや難聴で悩む前に!
この病気は、細菌感染による急性中耳炎が治りきる前に治療をやめてしまうことで移行することが多く、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などで耳管周辺の粘膜が腫れ、炎症を起こして耳管が狭くなることで発症します。
また、高齢者では耳管自体の老化によって開閉が上手くできなかったり、子どもの場合では、咽頭扁桃(アデノイド)の肥大によって圧迫されることが原因となり得る得るというものです。耳鳴り、難聴、めまいなどはセットで襲って来るケースがありますので、耳に違和感を感じたら即専門医に相談してみることをお勧めします。
治療に関して
炎症を起こす細菌に対しては、抗生物質の投与などで経過を見たり、鼓膜切開によって鼓膜に孔をあけ、排出するような手術が行われています。もちろん鼓膜形成術を行うことにより、聞こえが悪くなることはありません。
また、子どもの場合は10歳前後で自然治癒することが多いですが、根気よく治療すれば、大事に至る前に改善させることが可能です。内耳にまで障害が及ぶと聴覚が失われる場合もあるため、早めの治療が一番ですね。
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