耳だれ・難聴の原因は慢性穿孔性中耳炎!?
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耳だれと難聴には個人差が!
慢性穿孔性中耳炎では、透明や黄色の耳だれが見られますが、その量には個人差があります。風邪をひいた時だけの人もいれば、普段眠っている間に枕を汚してしまう人もいます。鼓膜に孔が開いているため、持続的あるいは一時的に分泌物を見ますが、急性に炎症が増悪してくる時以外は分泌量はごくわずかで、自分で気付かない場合もあります。ただし、中耳の炎症が長引くほど鼓膜の孔が大きくなって行き、鼻やのどの奥とを繋ぐ耳管から細菌が侵入しやすくなるため、風邪をひいた際に粘液性や膿性の耳だれの量が増える傾向があります。
また、鼓膜に孔が開いていると、音が完全には伝わらなくなってしまいます。このような音の伝わりが障害されて聞こえが悪くなるタイプを「伝音難聴」と呼びます。孔が小さいうちは何ら変わりなく、自分で異変に気付かないこともありますが、経過が長くなればなるほど、ゆっくりと確実に聞こえが悪くなって行きます。もし、内耳にまで影響が及び、音を感じ取る部分が機能しなくなると、「感音難聴」を起こし、聴力の回復は絶望的となってしまいます。ですから、痛みがなくても耳の中に何らかの異変を感じたら、早期に耳鼻咽喉科で調べてもらう必要があるのです。
鼓膜・鼓室形成術という手術も!
治療法としては、耳だれや難聴の症状が軽ければ、抗生物質の服用、点耳薬などの薬物療法で改善されますが、鼓膜の孔が塞がらない限り、細菌感染や炎症の原因を払拭したことにはなりません。したがって、完治させるには手術で鼓膜の孔を塞ぐ場合もあります。「鼓膜形成術」という手術は、耳のうしろなどを少し切って、皮膚の直下にある膜をわずかに取り出し、それを鼓膜の孔に貼り付けて塞ぐというものです。日帰りでも可能な手術で、耳だれや難聴はほぼ改善されるはずです。また、中耳内の「小耳骨」という骨が障害を受けた場合、「鼓室形成術」という小耳骨を修復するための手術が必要になる場合もあります。こちらは非常に難しい手術になりますが、よほどの重症でない限り必要ないかと思われます。
中耳炎では、急性にしろ慢性にしろ、疲労がたまって細菌に対する抵抗力が落ちている時に、感染したり、悪化したりすることが多いため、風邪をひいた際などはとくに注意して下さい。また、罹ってしまった場合は、できるだけ早く治療を開始することが何よりも大切です。
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