手のしびれの原因とは?寝起きに現れる両手の指の痛み!
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目次
手のしびれの原因とは?
手のひらの付け根部分(手首)には「黄手根靭帯」と「手根骨」に囲まれた「手根管」という管があり、その中を走る「正中神経」や「屈筋腱」は、指の知覚や運動に関する「重要な神経と腱」になります。
正中神経は、親指、人差し指、中指と薬指の半分の知覚を支配し、親指の付け根の筋肉も同様に支配しています。また、屈筋腱は、指を曲げるための9本の腱を意味します。何らかの原因で手根管内を走る正中神経が圧迫・障害されると、手のしびれ(主に指)や痛みが現れて来ます。
初期症状として、全ての指の手のひら側がしびれたり、中指などに限って症状が出る場合もあります。手のしびれには「特発性」といって原因不明のものもありますが、その場合、とくに女性の妊娠・出産・更年期などに発症することから、ホルモンバランスが深く関与しているものと考えられています。
手のしびれは夜間や寝起きに多い!?
手根管症候群では、夜中から朝方にかけて手のしびれや痛みが強く現れる傾向があります。痛みが強い場合は、寝ている間に目を覚ますことも珍しくありませんし、朝の寝起きに指の不快感を訴えることもあります。
手を振ったり、ギュッと握ったり、指の曲げ伸ばしを行うことで、多少症状が改善される場合もありますが、病気が進行すると知覚障害が強く現れて、指の感覚がなくなったり、関節リウマチのように寝起きにこわばりを感じるようになります。
進行すると親指の付け根の筋肉が萎縮し始め、徐々に痩せていくため、細かい手先の作業が難しくなり、日常生活に影響を及ぼすことが予想されます。
手根管症候群の主な原因
手のしびれが現れる原因は大きく分けると3つあります。まず、「手根管の内容物の増加」です。女性ホルモンのバランスが乱れる時期に発症しやすいため、手根管を通る屈筋腱の周りの腱鞘が腫れて内圧を高め、正中神経が圧迫されることが考えられます。
スポーツや仕事で手を酷使する場合も腱鞘炎が原因となって発症する場合があります。また、手首などのけがによってむくみが生じ、結果的に正中神経に障害をもたらすこともあります。その他、ガングリオンなどのしこりが影響するケースも見られます。
次に、骨折や加齢などで「手根管自体の狭窄」が見られる場合です。生まれつき狭い人もいるため、発症しやすくなるのは言うまでもありません。
最後に、「正中神経自体の障害」があります。甲状腺の病気や糖尿病などがあると、神経の感受性が高まり、ちょっとした圧迫でも神経が傷つきやすくなっています。女性の妊娠・出産・更年期にも、こうした神経の感受性の高まりが見られるため、手のしびれが起こりやすくなっています。
また、原因不明の「特発性」の場合、両手の指にしびれが起こることがほとんどです。腱鞘炎や骨折、脱臼などと原因が大きく異なるため、障害が両手に及びます。
手のしびれを改善するためには?
基本的に患部の安静や薬物療法がメインになります。腱鞘炎など手の酷使が原因の場合はとくに、添え木を当てて固定するなど、安静が必要とされます。時々手を上に挙げてうっ血を防ぐようにすると、症状を軽減させることができます。
薬物療法では「消炎鎮痛剤」や「ビタミン剤」などを使用しますが、手根管に「ステロイド剤」を注射して、炎症を和らげる方法も取られています。手根管症候群では、その多くが保存的療法で改善することができるため、手術で正中神経の圧迫を除去することは少ないといえます。
障害が重く、手のしびれが強いケースでは、手術が必要になることがありますが、術後1年もすれば回復が期待できます。軽度の場合、2~3週間もあれば普通の生活に戻れるため、極度に心配せず、適切な治療を受けることが最も重要です。
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