皮膚病の原因が分からない!それは接触性皮膚炎かも?
日常生活の中で、知らないうちに「皮膚病」ができて炎症(いわゆるかぶれ)を起こしたり、かゆみが出たりすることもありますね。しかし、何が原因なのか、サッパリ分からないことも多いと思います。そういったケースで一番多いのが「接触性皮膚炎」というものです。
皮膚には本来、外界の異物や刺激から身を守るための「バリア機能」が存在しますが、炎症の原因となる物質にわずかに触れただけでも皮膚病を起こすことはよくあることです。そして、そのメカニズムの違いによって「刺激性接触皮膚炎」と「アレルギー性接触皮膚炎」の2つに大別されます。
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目次
皮膚病の原因・刺激性接触皮膚炎とは?
炎症を起こす作用を持つ物質に触れることによって生じるもので、塩酸などの強酸や、強アルカリ、洗剤などに触れることにより炎症を起こします。また、女性では、化粧品もその対象となるため、肌に合わないものを使い続けていると一向に治らないという状態が持続します。
その他、熱や紫外線、摩擦などの物理的刺激によるものも刺激性接触皮膚炎の原因となっています。触れることによって即炎症を起こす強力なものもあれば、洗剤や化粧品などのように皮膚に対する刺激が弱くても、毎日のように繰り返し触れることで炎症に繋がるケースもあります。
通常、皮膚細胞の最も外側で体の表面にある「表皮」には、「角質」や「角層細胞」と呼ばれる古い細胞が存在し、細菌などの異物を容易に侵入させない役割を担っています。しかし、それよりももっと小さい物質が入り込んでしまうこともあるのです。いずれにしても、これらの物質により皮膚の組織が破壊されることによって、気付かぬうちに皮膚病を生じます。
皮膚病の原因・アレルギー性接触皮膚炎とは?
ある特定の物質にほんの少し触れただけで、皮膚が過剰に反応してしまう「アレルギー反応」による皮膚炎です。細菌などの異物を排除しようとする免疫システムが、不必要な物質に対しても反応してしまうことが原因で、何度か接触しているうちにこのシステムが確立されてしまいます。
アレルギー性接触皮膚炎では、身の回りのどんな物質が影響を及ぼすのかが人によって異なるため、皮膚科でパッチテストをするなどして、アレルゲンを特定する必要があります。家ダニ、ほこり、花粉などが主なアレルゲンですが、植物や金属などが関与している場合も多く、自分ではなかなか気付きにくいこともあります。
金属によって皮膚病を招くことは珍しいことではなく、ニッケルやコバルト、クロムなどで炎症を起こしやすくなっています。例えば、ネックレス、イヤリング、ピアス、指輪などのアクセサリーの他、腕時計のバンドの部分やベルトの革などに含まれているクロムでも炎症を起こす人もいます。
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その他、歯の詰め物に使用されている金属が溶けて、唇などがかぶれたり、以前はほとんどないといわれていた金がアレルゲンとなる人も増えてきています。
植物では、銀杏や漆、桜草などが有名で、触れてから2~3日後に症状が出るため、すぐに原因が分からない場合も多いのです。アレルギーによるものは、湿疹ができてかゆみが強く出たり、赤く腫れて、細かい水ぶくれとなって現れることがあります。
皮膚病の原因には意外なものも!
皮膚病では、良かれと思って使用していたものが原因だったということも珍しくありません。冬場に唇が荒れてリップクリームを使う人も多いと思いますが、症状がさらに悪化するケースも見られます。主婦の方が手湿疹の悪化防止に使うゴム手袋もますます状態を悪くしたり、そもそも手湿疹の原因がゴム手袋にあったという場合もあります。
緑内障の人が使用する目薬によって目の周りに湿疹ができたり、傷や水虫を治そうと使用した外用薬が原因となって、どんどん状況が悪くなることも多いものです。副腎皮質ホルモン(ステロイド)の塗り薬なども同じようなことがいえます。その他、日頃から愛用している衣服や靴下などが皮膚病を起こす原因となっていることがあります。
一度アレルギー反応を起こす状態ができあがると、そう簡単に治すことは難しいといえますので、何が自分にとってのアレルゲンであるかを突き止め、日頃から触れないようにしたり、植物などにも近付かない方が無難ということになります。
また、建設業などでセメントを扱ったり、美容師などの人は手の湿疹がかなりひどくなることも予想されます。重症化する前に皮膚科を受診するようにご注意下さい。
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