産後の不正出血の原因・病気は?鮮血や茶色のおりものも!
愛しい赤ちゃんが無事誕生し、産後の女性は幸せながらも大変な日々が続きますね。そんな折、「不正出血」があると不安になるかと思います。真っ赤な鮮血からピンクや茶色のおりものまで考えられますが、病気が原因となっている場合もあるため、用心するに越したことはありません。
もちろんホルモンバランスの乱れによる「機能性出血」のような心配のいらないものもありますが、なかには半年~1年と不正出血が続く女性もいますので、決して放置しないようご注意下さい。最悪の場合、子宮頸がん、子宮体がんなどの病気が関与していることも頭に入れて行動する必要があります。
赤ちゃんに付きっきりで大変な毎日をお過ごしかもしれませんが、気になることがあれば、早めに産婦人科の先生に相談してみましょう。
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目次
そもそも不正出血とは?
産後にかかわらず、女性の不正出血は様々な心配が付きまとうものです。子宮や膣、卵巣、卵管などの婦人科系の病気が原因となっていることがあるためです。通常、月経は25~38日くらいの周期で訪れ、3日~1週間程度続きます。
そこには個人差というものもありますが、この期間に該当しない予期せぬ出血は、すべて不正出血と考えます。人によっては「ごく僅かの出血」もあれば、「徐々にひどくなって量が増える」「月経後にダラダラと長引く」といったケースもあります。これらはすべて不正出血と考えて良いです。色に関しても、ピンクや茶色のおりものをはじめ、鮮やかな赤から褐色のものまで様々です。
産後の女性の場合、妊娠中に停止していた卵巣機能が再び働き始めると、女性ホルモンが以前のように分泌され、月経も再開します。また、産後1ヶ月程度で月経が始まる女性もいますが、1年経過してようやく再開するという場合もあるなど、非常に個人差が大きいことも併せて覚えておきましょう。
産後の不正出血の主な原因は?
病気以外、つまり女性ホルモンのバランスが乱れることによって起こるものを「機能性出血」と呼びます。女性であれば誰もが経験するような不正出血であり、無排卵になったり、産後の急激なホルモン分泌の変化が影響しているため、あまり心配する必要はありません。
この場合、黄体ホルモン剤やピルなどでの治療も可能ですし、長く継続することもありません。ただし、1つだけ心配なのが「本当に機能性出血なのか?」という点です。器質性異常(病変)などの存在を見逃さないためにも基礎体温の測定を毎日きちんと行いましょう。産婦人科では基礎体温の測定結果は診断上、非常に参考になるものです。
また、排卵日の前後に僅かな不正出血が認められる女性も多く、「中間期出血」と呼ばれています。排卵の影響で女性ホルモンの「エステロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が減少することによる一時的なものであるため、こちらも心配ありません。
産後の女性の場合、出産時にできた膣などの傷が完治していなかったり、その傷口に肉芽(赤い盛り上がり)ができることが原因となり、接触出血を起こしやすくなることもあります。「膣部びらん」「膣炎」「子宮頚管ポリープ」などがあると、同様に出血しやすくなりますので注意しておきましょう。
その他、出産の影響で子宮口が柔らかく開いた状態にある時期は、月経血がどっと出てくることもあるため、驚くことも珍しくありません。こちらは時が経過すれば改善されます。
産後の不正出血の原因・怖いケースも!
最も警戒しなければいけないのが「子宮頸がん」「子宮体がん」です。妊婦検診時に子宮頸がん検診を受けていても、1年以上経過したら改めて検診を受けておく必要があります。不正出血の量自体が少ないと、ついつい受診を先延ばしにする人が多いため、発見が遅れる場合があります。
もし出血が長引くようであれば、子宮体がん検診も必ず受けておくことが大切です。まだ1年経過していないという人は、基礎体温測定を継続しながら様子を見ておきましょう。毎日測定していると、月経と不正出血の違いを容易に察知することも可能です。
最悪、命を失う病気であるため、警戒だけは怠らないようにして下さい。何か気になることがあれば必ず産婦人科の専門医に相談し、原因を究明するために検査を依頼しましょう。
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