めまいや吐き気、ふらつきはメニエール病という病気かも?
めまいや吐き気、ふらつきなどの症状が現れる病気に「メニエール病」があります。この病気は厚生労働省が指定する特定疾患(難病)の1つで、全ての原因が解明されている訳ではありません。発症のピークは30~40代前半で、とくに女性が患いやすい傾向があります。
メニエール病の主な症状としては、突然自分や周囲のものがグルグルと回っているような強い「回転性のめまい」が特徴的です。同時に、吐き気、ふらつき、耳が詰まったような耳閉塞感、耳鳴り、難聴などを伴うことが多く、難聴は基本的に片方の耳だけに現れます。
また、メニエール病の発作は1回につき数時間以内には治まることがほとんどですが、20分程度で治まったり、長ければ24時間続く場合があります。いったん症状が治まっても、発作を繰り返すのも特徴の1つとなっています。
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メニエール病の発作は繰り返される
この病気の発作の間隔は一定せず、1日に何度も襲って来たり、数年に1度しかないという場合もあります。発作は吐き気を伴うため辛いものですが、神経症状や意識障害はなく、発作が治まると症状は軽くなっていきます。
ただし、耳鳴りや難聴はずっと残っていることが多く、何度も発作を繰り返すうちにダメージが蓄積して内耳の機能が回復しにくい状態になります。そうなると難聴がどんどん進んだり、平衡感覚の乱れが悪化してふらつきが目立つようになる恐れがあります。
また、高い音や強い音に対して過敏に反応してしまうケースも見られます。もし同じような症状を感じた場合、早期にめまい外来、耳鼻咽喉科、神経耳科などを受診しましょう。
メニエール病の原因とは?
メニエール病の原因は、内耳の膜迷路内に発生するパンパンに膨れた水ぶくれ(水腫)で、「内リンパ水腫」と呼ばれるものです。この水腫は何らかの原因でリンパ液が増えすぎたことにより発生しますが、なぜリンパ液が増えすぎてしまうのかが、まだ解明されていません。
内リンパ腫が起こると蝸牛や前庭器官の膜迷路内の内圧も高まり、さらに症状が進むとその仕切りとなるライスネル膜を破壊して内リンパと外リンパが混じり合うことになります。この成分の違うリンパの混じり合いが、激しい回転性のめまいを引き起こすと考えられています。また自律神経に影響を及ぼす前庭器官にも異常が出るため、吐き気や頭痛などを同時に伴うこともあります。
回転性のめまい、吐き気、ふらつきを感じたら
何はともあれ、まず専門医に診てもらう必要があります。発作が起こった際はしばらく安静を保ち、それから診察を受けます。めまいや吐き気、ふらつきが治まらない場合は応急処置が必要になるため、家族に病院まで連れて行ってもらいましょう。薬物や注射、点滴などで症状が落ち着くはずです。
確定診断については、内リンパ水種の有無を確かめるためのグリセロール検査を受ける必要があります。もしメニエール病だった場合でも、約8割の患者さんが薬物療法を受けたり、ストレスや疲労を回避する生活を続けることで問題なく過ごせるようです。
手術の必要性に迫られることもありますが、基本的には既に出ている聴覚の症状を改善するのは難しいといえます。ただし、めまいなどの発作が治まり、聴力の悪化を防ぐことは可能です。
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