手足のむくみの原因はネフローゼ症候群という病気かも?
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目次
手足のむくみが起こる原因とは?
ネフローゼ症候群を起こす原病には「リポイドネフローゼ」「慢性膜性腎炎」「糖尿病性腎症」などがありますが、子どもに多いのはリポイドネフローゼで、成人では慢性膜性腎炎が多く見られます。また、近年糖尿病を発症する人が増えているため、糖尿病性腎症を患う人も増えてきています。これらの病気によって、腎臓の糸球体毛細血管の壁を構成する「基底膜」と呼ばれる膜に変性が起こり、その結果、血液中から尿成分だけをろ過する機能が損なわれます。すると、次第にタンパク尿が排泄されるようになり、血液中のタンパク質が減少することで血漿中の浸透圧が減少するため、手足のむくみが症状となって現れます。さらにこの状況を補おうとして、皮下脂肪からコレステロールが血液中に排出されるため、「高コレステロール血症(高脂血症)」を引き起こします。
手足のむくみに気づいた時は?
ネフローゼ症候群の直接的な原因は、腎臓に関する病気が70%を占め、残りの30%はB型肝炎、マラリアなどの感染症、リンパ腫や白血病、糖尿病、臓器がんなどもあります。しかし、腎臓の糸球体組織に起こる細胞の変性や壊死、硬化などがなぜ起こるのかは原因不明とされています。また、発病は全くの潜行性であることが多く、いつ発病したのかを知ることは難しいとされています。通常、手足のむくみに異常を感じることで病気の存在に気づくことも多いですが、この時には既に半年程度が経過している場合もあります。手足のむくみは次第に全身に強く及び、腹水がたまることで呼吸困難となる危険性もあります。むくみが現れる数日前から尿量の減少が見られますが、尿の色が変化したり、血尿が出ることもありませんので、病気の発覚には至らず、その結果として経過が極めて長くなり、感染症を起こしやすくなります。
主な合併症は?
血液中のコレステロール(脂質)が増加すると、動脈硬化を促進し、心臓に十分な血液が送られなくなる「虚血性心疾患」や「脳卒中」などの原因となります。これが、いわゆる「高脂血症」ですが、手足のむくみなどが出る時期にならないと、自覚することはまず不可能といえますので、定期的な血液検査は必須となります。また、血液中に含まれるアルブミンというタンパク質が減ってしまって「低アルブミン血症」も起こります。もし発症すれば、貧血や低血圧、むくみが目立つため、発見は比較的容易です。そのまま放置しないようにして下さい。さらに、血液が固まりにくくなる「血液凝固亢進」という障害も考えられます。これによって血の固まりである血栓を生じやすくなると、腎臓内の静脈の血管壁に張り付いて「腎静脈血栓症」を引き起こしやすくなるため、こちらも併せて注意が必要です。
手足のむくみが長く続いているという場合は、専門医に相談してみましょう。
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