飛蚊症の原因は老化現象や網膜裂孔が起きている場合も!
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いわゆる老化現象の1つとされており、多くの場合心配は要りませんが、中には病的な原因によって飛蚊症を訴えることがあるため、眼科で詳しい検査を受ける必要があります。とくに「網膜剥離」の前触れとして現れることがあるため、放置すると失明する危険性が高くなりますので、くれぐれもご注意下さい。
目次
飛蚊症の特徴
飛蚊症によるものの見え方には個人差があり、「虫、糸くず、ゴミ」などが主ですが、「水玉、ハエ、ゴマ粒、すす、アメーバ状のもの、クモの巣」などのようなものが見えると訴える人もいて、表現方法も実に様々です。共通する点は、その小さい影は目を動かすことで移動し、まばたきをすると元の位置に戻ってきて不快感を伴います。
とくに青空の下や明るいところにいたり、白い壁に向かうことで、よく影が見えるようになって気になります。逆に暗いところにいたり、形や色が異なるものに向かう時は目立たなくなることが多いという特徴があります。また、飛蚊症の人は、目を閉じていても光や影がちらつくこともあります。
飛蚊症の原因
眼球の硝子体は、「硝子体膜」という薄い膜に包まれた「ドロドロとしたゲル状の物質」で、その内部には透明な繊維が網の目のように走っている構造をしています。これが加齢によって変性してくると、繊維が眼球の周辺部に集まりやすくなる傾向があり、ゲル状の硝子体から水分が分離するようになります。
このような変性が進むほど、繊維が部分的に絡み合った状態になるため、視細胞が集まる「網膜」に影を落とすようになります。この影が飛蚊症の主な原因となっています。
また、水分が分離することで硝子体が収縮すると、硝子体膜が眼球の後方で網膜から剥がれる可能性も出てきます。主に50歳を超える頃から始まる現象で「後部硝子体剥離」と呼ばれ、剥がれた膜が網膜に影を落とすため、こちらも飛蚊症の原因となっています。もちろん加齢によるものですから決して病的なものではなく、治療を必要としないことがほとんどです。
飛蚊症は網膜裂孔の可能性も!
飛蚊症は老化現象の1つという場合もありますが、中には病的な現象として注意すべきものがあります。硝子体はもともと網膜と密着しているだけで、眼底の視神経乳頭(脳へ繋がる視神経の出口)の周辺部だけしか癒着していません。
しかし、何らかの原因で他の部分にも癒着がある場合、硝子体が収縮する際に網膜が引っ張られて裂け目が入ることがあります。これを「網膜裂孔」と呼びますが、網膜の血管が切れて出血があると、硝子体に入って飛蚊症を起こすことがあります。
さらに、この状態を放置すると、裂孔から網膜の裏側に水分が入り込み、今度は網膜自体が剥がれる「網膜剥離」の原因となってしまいます。その結果、視野の一部が欠けたり、最悪の場合、失明に至ります。ですから、飛蚊症の原因は加齢によるものだけではないということを認識しておく必要があります。
病的な飛蚊症の見分け方
飛蚊症は、眼科を受診して「視力検査」「細隙灯顕微鏡検査」「眼底検査」などで詳しく調べる必要がありますが、加齢による「生理的なもの」と、網膜裂孔などの「病的なもの」との見分け方の目安があります。
目がかすむ原因は白内障!?
●生理的な飛蚊症
・明るいところでは気になるが、暗いところでは見られない
・視力・視野には変化がない
・とくに悪化している様子はない
・いつ頃から始まったのか覚えていない
基本的に治療の必要はありませんが、後部硝子体剥離によって出血している場合は、血管強化薬、止血薬などのほか、消炎酵素薬やビタミンCなどの内服薬が用いられています。
●病的な飛蚊症
・目を閉じていても光を感じる
・目を動かした際や暗いところでも光が走る感じがする
・視野に暗いところが出てきた
・ある日突然始まったことを覚えている
網膜裂孔がある場合、レーザーによる「光凝固」、冷凍装置による「冷凍凝固」などが必要となります。ただし、視細胞がとくに密集する「黄斑部」の場合、レーザーなどが使えません。
また、網膜剥離が確認された場合、眼球の内側からの「硝子体手術」が行われる場合もあります。(※剥離範囲や出血量などを確認の上)
もし剥離部分が狭い場合は、眼球を外側から圧迫して、外側の組織に密着させる「強膜バックリング」などが主です。
30~40代で飛蚊症が現れた場合、できるだけ早く眼科を受診して原因を調べることが大切です。「目は一生もの」といわれるくらい大切なものですから、病気を疑うような症状があれば、まず眼科を受診することです。
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