動悸や手の震えのなどの症状が出る原因や病気について
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しかしながら、病気が進行する過程で何らかの原因が作用して、逆に甲状腺ホルモンが一時的に増加することがあります。その際にも、動悸や手の震え、全身倦怠感など、甲状腺機能が逆に亢進することで「甲状腺中毒症」の症状が現れることがあります。
甲状腺の病気は「機能低下」や「機能亢進」で似たような症状が現れる場合があるため、注意する必要があります。一時的なホルモンの増加が比較的少ない場合は、1~2週間もすれば自然に症状も治まりますし、もともと甲状腺の機能低下が見られない場合は自然治癒する可能性も十分にあるため、しばらく様子を見て、体の異常が続くようでしたら専門医に相談することが大切です。
目次
動悸・手の震えは自己免疫で起こる?
甲状腺は喉仏の下にある人体で最も大きな内分泌気管。新陳代謝を活発に行うために欠かせないホルモンを分泌しています。この大切な機能が低下する現象を発見したのは、九州大学の橋本教授で1920年のことです。
血液中に甲状腺を異物とみなす「自己抗体」、もっと詳しく言えば、「抗サイログブリン抗体、抗マイクロゾーム抗体」が作られることで、細菌やウイルスから身を護る機能が失われ、自らの甲状腺を破壊してしまう「慢性甲状腺炎」を発症します。女性の10人に1人は潜在的にこの病気を持ち続けているといわれています。
主な症状は、動悸や手の震えの他、「手足のむくみ」「皮膚のかさつき」「倦怠感」「声のかすれ」「便秘がちになる」「体重が増える」「無気力になる」などの典型的なものが目立ちます。声のかすれは、甲状腺の腫れがゆっくり、そして板か鉄のように硬く成長することで神経を圧迫するために起こるものです。
さらに悪化した場合は?
動悸や手の震えも患者さん本人にとっては厄介なものですが、病状がさらに進行すると、「粘液水腫」といって、「押してもへこまないむくみ」が出たり、「心不全」へ繋がるケースも目立ちます。ただし、病気の進行はあくまでも「ゆっくり」ですので、患者さんが自分で気づくのが難しいという側面を持っています。
女性の場合は「更年期」と重なる時期であれば、一層鑑別が難しく、うつ病などの心の病気や物忘れが激しくなるなどの症状が、実は更年期障害の一症状ではなく、甲状腺の病気によるものであったという例も見られます。
また、その時期に動悸や手の震えを訴える女性も非常に多いため、医師による鑑別も必要になって来るでしょう。閉経期に近づくことによる女性ホルモンの分泌低下と間違えやすく、また甲状腺機能低下との因果関係がはっきりしていない段階では、難しい判断となるようです。
動悸や手の震えから危険なケースへの移行も!
まず、甲状腺機能低下症を放置すると、意識喪失や昏睡状態に陥ることがあります。動悸や手の震えなど、前述した症状に心当たりがある人はそのような危険性も視野に入れ、くれぐれも注意して下さい。また、喉仏の下のしこりが徐々に大きくなっているいるようであれば、「甲状腺がん」の可能性も否定できません。
こちらも女性に圧倒的に多いものですが、比較的「大人しいがん」とされていますので、早期発見、早期治療でほぼ根治が見込めるものです。ただし、中には「タチの悪い未分化がん」や「悪性リンパ腫」がまれに見られるため、痛みなどを伴わない首の腫れなどは常にチェックしておくことをおすすめします。
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