体の至る所に起こる様々な症状についてわかりやすく説明します。

喉と耳が痛い・38度台の熱などは急性中耳炎の症状です!

喉と耳が痛い

喉と耳が痛い・38度台の熱などは急性中耳炎の症状です!風邪をひいた際、「喉と耳が痛い」「38度台の熱がある」などの症状が出たら、「急性中耳炎」を発症している可能性が高いといえます。また、「耳だれ」といって、中耳にたまった膿が外に流れ出てくることもよくあることです。鼻咽腔と中耳と呼ばれる部分は、耳管という空洞で繋がっているため、鼻や喉に潜伏・感染した細菌などが中耳に侵入しやすく、そこで炎症を起こしやすくなっています。こどもが発症するケースが非常に多く、3歳までに経験する確率は8割程もあります。大人よりも耳管が短いとともに水平に近くなっているため、鼻や喉の細菌が中耳に容易に入りやすいことが最も大きな要因ですが、こどもは大人より抵抗力が弱いため、尚更患いやすくなっています。

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目次

耳がズキズキ痛むことも!?

急性中耳炎には「耳の痛み、38度台の発熱、耳だれ」といった三大症状がありますが、中耳内に膿がたまると耳の奥の方でズキズキするような激しい痛みが起こります。とくに乳幼児が発症すると、痛みで泣き疲れないと眠れないということも多いです。症状が軽い場合は、耳が詰まった感じ(耳閉塞感)、軽い難聴、耳鳴りを覚えるだけで、発熱もありませんが、炎症が進行すると耳痛が激しくなり、脈拍に合わせて起こる拍動痛を訴えます。

 

乳児は「喉と耳が痛い」と言えない!?

急性中耳炎は「溶血性レンサ球菌」「ブドウ球菌」「肺炎球菌」などが原因となって発症することもあります。小さなこどもで、38度台の原因不明の熱がある場合は、この病気を疑ってみて下さい。また、0歳児、1歳児などの場合、「喉と耳が痛い」などと言葉で表すことはできませんので、「機嫌が悪くてぐずる」「耳に手を当てる」「いつもと様子が異なる」という場合は、「発熱がないか」「中耳炎を起こしていないか」など、両親が一定の判断基準を持って対処しなければなりません。

 

また、幼児で症状が軽い場合でも、聞こえの悪さなどの異常がないか注意して見ておきましょう。「テレビに近づいて見ている」「テレビの音量を上げている」「呼んでも無反応の時がある」などの変わった様子があれば、自閉塞感を伴っている可能性があります。急性中耳炎は、粘膜から滲みでる滲出液がたまって「滲出性中耳炎」に移行しやすく、その場合は三大症状がナリを潜めてしまい、聞こえだけが悪くなる特徴があります。こどもでは「喉と耳が痛い」とはっきり伝えられないことも想定しておく必要があります。

 

重症化すると!

外耳と中耳の境目には鼓膜があり、鼓膜や鼓室、鼓室へ繋がる乳突洞と呼ばれる骨の部分の炎症を中耳炎と呼んでいますが、この鼓室の炎症が進んで鼓膜が破れてしまうと、耳の外へ漿液性(濃い水のような)の分泌液が流れ出します。この耳だれと呼ばれるものは、次第に膿性のネバネバしたものとなり、その量も増えてきます。熱は38度前後のことがほとんどですが、膿が外へ出てしまうと急に下がります。耳だれが起こったのに熱が下がらなかったり、一旦下がっても再び高熱が出るようなことがあれば、炎症が乳突洞にまで広がっている可能性が高く、必ず難聴や耳鳴りを伴う他、悪寒やふるえを伴う重症となります。

難聴・耳鳴りの原因は外リン瘻かも!?
 

アデノイド(咽頭扁桃)を切除することも!

急性中耳炎では、まず解熱鎮痛剤や抗生物質を使って熱を下げたり、痛みを抑えたり、細菌を撃退する方法がとられます。それでも耳が痛いと感じたり、熱が下がらないという場合もあります。また、鼓膜の腫れが目立つこともあり、対処法として「鼓膜切除」を行って中にたまった膿を出す必要が出てきます。鼓膜切除といっても、1~2週間程度で自然に塞がるため、極度に恐れる必要はなく、聴覚も全て回復します。滲出性中耳炎の治療法では、カテーテルやチューブを使う方法がとられることも多いですが、アデノイドに細菌がたまりやすいということもあり、副鼻腔炎や耳への影響を避けるため、切除することもあります。

 

喉と耳の痛み、発熱は2週間経過を見る!

この病気のほとんどは、治療開始から4~5日で症状が大きく改善されます。ただし、勝手に治療をやめてしまう人が多く、悪化させたり、再発を繰り返して慢性化する可能性があります。症状が治まっても、2~3週間は耳鼻咽喉科の先生に経過を見てもらいましょう。また、副鼻腔炎(蓄膿症)があると、細菌が耳管を通って耳へ侵入しやすいため、警戒しておく必要があります。鼻すすりは鼓膜が中耳の方へ入り込みやすく、滲出性中耳炎などは改善しにくくなるため、片方ずつ適度な強さで鼻をかむように心がけましょう。

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